日々是ジャグリング

ジャグリングを通じて感じたこと考えたことを綴っていきます。

様式美と意外性と構成力と―ジャグリングドーナツライブ2019感想(2/2)

どうも、ゴ~チョです。

さる5月5日(日)、Juggling Donuts Live 2019を観てきたので感想を書きます。
Juggling Donuts Live(略称:JDL)とは...下の記事を参照してください。

 

juggling-gohcho.hateblo.jp

続きです。

個々の演者について

娘(ディアボロ

 ゲストハウスのロビーに飾ってあったディアボロに興味津々の助手。

「こうやって使うんだよ」

と娘はおもむろにディアボロを受け取り、ルーチンスタート。

「今から見せてあげるから、周り片付けて!」

と言わんばかりのジェスチャーがいいですね。このゲストハウスでは日常茶飯事なのでしょう。

 大きめの舞台美術を片付けたところで、スペースはさほど広くなく、照明を吊っているぶん天井も低いです。ディアボロにとっては相当窮屈なのではないかと思われますが、彼女の演目は窮屈さを感じさせない伸び伸びとしたものでした。すばらしい空間把握力。エンディングで披露していましたがペアポイの心得もあるようで、某ジャグリング舞台演出集団でも重宝されそうです。

fratres.wp.xdomain.jp


家入レオ - サブリナ

 

医者(ヨーヨー)

 ルーチン曲が凛として時雨の『Who What Who What』。アニメ『サイコパス』の主題歌をチョイスというのは、今回の医者のキャラ設定と相まって、偶然とは思えません。ヨーヨーはこの舞台サイズの方が観やすくて良いですね(ヨーヨーを評する見識と語彙が乏しすぎてすみません......)

 


凛として時雨 『Who What Who What』

助手(ポイ)

 ポイを使った見立てが面白く、キュートでした。特にはてな?」からの「ビックリマーク」

 

 ポイド素人である僕の発言なので異論反論は受け付けますが、ポイって決めポーズをとりにくい道具だなと今まで思ってました。が、トス技とストールを上手く絡めることでしっかりpauseすることができて、しかもposeのバリエーション出してるなぁ、と見ていて飽きないルーチンでした。


SCANDAL 「夜明けの流星群」/ Yoake no ryuseigun ‐Music Video

役者(クラブ)

 医者はむしろあのベルトにこそ食いつけ。

 いいですね、クラブを装着して変身するヒーロー。しかもですよ。「バックルに装着していた変身アイテムを、取り外して武器に加えることで必殺技発動という特撮ヒーローでよく見られる様式美をちゃんと踏襲しているところが良いです。

変身ベルト ver.20th DXダブルドライバー

変身ベルト ver.20th DXダブルドライバー

 

 バックルに装着したクラブは最後の5クラブの技まで使わない。体周りの技やターン移動するときに邪魔になりそうな位置にありましたが、構わずバンバン技を決めてました。バックルのものも含めてズラッと縦一列にクラブが並んだポージングは見事でした。客席はすっかり日曜朝9:20頃のテレビ朝日に誘なわれていましたね。

 ルーチン曲もちゃんと仮面ライダー(ディケイドでした。あれももはや10年前であるということに戦慄)。曲はディケイド、でもクラブのカラーリングはどちらかというとW(ダブル)。


Kamen Rider Decade Opening Full (Journey Through The Decade)

 

探偵(クリスタル)

 どちらかというと文化系っぽい探偵さんだし、クリスタルだし、個人演目としては最後だし、しめやか厳かミステリアスなルーチンでもするのかなと思いきや。

めっちゃ動くやん

そして投げるわ投げる……

 曲もハイテンポで、とてもアグレッシブなルーチンでした。持ったことある人はわかると思いますが、クリスタルってそこそこ重いんですよね。あれだけ投げて腱鞘炎にならない彼の手首の強靭さに敬服です。


[CHICOwithHoneyWorks] まじっく快斗1412 Magic Kaito1412 魔術快斗 OP2 ai no scenarioアイのシナリオ (愛的劇本)

探偵だけど、怪盗のテーマ曲を使っています。

母・オーナー(キャスト)

   なかなか難しい役どころだったのではないかと思います。動くときと、全く身動きしてはいけないときの切り替えとか。そのタイミングを誤ると、コミカルから戻ってこられなくなったりするので。いい仕事してました!

そもそもがパズル的

 ドーナツライブは例年ルーチン先行方式。
 まずルーチンありきで、そこから脚本を固めていく、と以前に関係者からうかがったことがあります。今回もその例にたがわないのだとすると、これだけ個性豊かな演者とルーチンを大きな破綻なく一つの物語に収める構成力はすごいなと敬服の限りです。構成の段階からしてパズルのピースをつなぎ合わせて一つの絵にしていくような作業、ミステリーものとはそもそもの相性が良かったのかもしれませんね。
 今年は舞台サイズが例年と大きく異なりましたが、条件が変わっても最適解を出し続けるJDLでした。すでに来年も楽しみです。

ではまた!