日々是ジャグリング

ジャグリングを通じて感じたこと考えたことを綴っていきます。

このサイズ感もいいね!―ジャグリングドーナツライブ2019感想(1/2)

 どうも、ゴ~チョです。
 Juggling Donuts Live 2019を観てきたので感想を書きます。
 Juggling Donuts Live(略称:JDLとは、京都大学の団体である京都大道芸倶楽部Juggling Donutsが毎年5月に行う公演で、無言劇を織り交ぜながらジャグリングを披露していく物語仕立てのショーです。

 例年は、京都府立文化技術会館のけっこう大きな舞台を使用していたのですが、今年は趣向を変えて小劇場風のコンパクトな舞台(東山青少年活動センター)でした。公演日が2日間で3回公演をしたのも、ここ10年のうちでは初(ドーナツ史上初かどうかまではわかりません...)なのではないかと思います。僕は5月5日の13:00回を観ました。

全体の構成

 舞台は母(オーナー)と娘で営むゲストハウス。そこへ、いかにも探偵の風貌の紳士その助手らしき少年医者っぽい白衣の男性特撮ヒーローの主演経験があるらしき役者が泊まりに来ます。その晩はオーナーもゲストたちも交えて卓を囲み宴もたけなわ夜も更けて......の翌朝、なんとオーナーが床に倒れていました。医者が確認したところ、もはや手遅れ...泣き崩れる娘...迷走する推理...床にはメッセージ......?そんな感じの、ミステリーものの物語でした。

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演出について

このサイズもいいね

 舞台と客席の平面がほぼフラットの、距離が近い感じ。例年のJDLがどちらかといえば大舞台で、老舗サークルの公演ということも相まって厳かな空気に包まれるのですが、今回とても和やかでした(緊張感がないと言いたいのではないです決して)。舞台と客席の距離が近い分、各道具の大技は大迫力でしたし、天井が低いことによる緊張感もありました。
 また、例年の広々とした舞台サイズでは個性が活かしきれない道具たちが、コンパクトな舞台によって映えたなという印象です。場面設定が「ゲストハウスの屋内」であったことも、舞台のなかの世界のサイズ感にリアリティを与えたように思います。舞台美術も主に既製品の家具を使用することで地に足がついた世界観がミステリーものと相性がよかったです(そんな中、カウンターを畳んで回収していったときはシンプルに「すげー!」と思いました)
 そんなことを思いながら、同時に感じていたのは懐かしさです。彼らの先輩が主催するJuggling Unit ピントクルの公演『秘密基地』を思い出しました。実はピントクルも『第一回公演』からオムニバス公演『秘密基地Vol.5』まではこの会場で上演してるんですよね。『第一回公演』と『第二回公演 DOTS&HOLES』を観に訪れたことを覚えています。そして同日ピントクルもオムニバス公演『秘密基地vol.9』を上演していてJDLを観に行った方のなかにも、ハシゴした人けっこういたんじゃないかと思います(僕は『秘密基地』のほうは予約し損ねて観られませんでした残念......)。同じ京都で、主催はどちらもドーナツの方で、舞台のサイズ感が似ている...にも関わらず、全く毛色の違う公演...見比べられた方はさぞ楽しかったことでしょう。

ミステリーならではなスクリーンの使い方

 JDLで、舞台上のスクリーンに画像や文字を投影する演出を組み込むようになったのは、僕の記憶の限りでは2012年(確か美術館が舞台の話)からだったと思います。
 それ以降、たびたび活躍していたスクリーンでしたが、今回はミステリーものならではな活用がされていました。現場検証用の写真を投影し、床に遺されたメッセージの推理をリアルタイムに映し出すことで、「無言劇でミステリー」という結構な難題をクリアしていました。スクリーン上の写真をもとに、観客も一緒に推理を楽しめるという利点もありました。
 そして助手の迷推理からの偽エンドロール、凝ってましたね。助手だから「Josh」なんですね。

音響・照明を絡めた小ネタが好き

乾杯のときにグラスをぶつける音をベルで表現......

しているのかと思いきや実は本当に店先のベルを連打されていた。
とか、
演出の流れで真っ赤になっていた照明を

カメラのシャッター音とともにフラッシュに見立てて白に戻す。
とか、
メタな事情(グラスの音をあてたい、照明を戻したい)を舞台上の人物の動きに連動させて解消していく演出が、M.C.エッシャーの『メタモルフォーゼ』をみているようで個人的にとても好みでした。

 

オーナーには生きててほしかった

 これに関しては完全に僕の好みの話です。ミステリーとはいえ全体的に明るい雰囲気で、エンディングの集団演目には全演者揃って爽やかに終わるのならば、オーナーには生きてる状態で出てきて欲しかったなと思いました。

 例えば、医師が心音を確認するために聴診器を背中に当ててましたが、実は背中にけっこうな厚みのあるものを入れていたため聴こえなかっただけでした、だとか、聴診器と見せかけて実は聴診器じゃない(そもそもニセ医者だった)から診断もめちゃくちゃだった、とかにして、犯人捕まえてたらひょっこりオーナーが起き出してきて、
「なんだ生きてたんだ~良かった良かった~」大団円集団演目エンディング
が良かったなと思います。

 あのままだと、看板を「closed」にする娘さんの微笑みが切なすぎた......
 そして、オーナーを囲んで光る五芒星が黒魔術の儀式めいて見えた......

個々の演者については次回投稿にて

 個々の演者さんについては、次の記事に回します。
 次の投稿まであまり日をあけたくないのですが、諸々の事情により、次は早くても来週火曜以降になるかと思います。

ではまた!

 

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