瓜につめあり、爪につめなし、ゴ~チョです。
ジャグリング検定の指定技紹介、今回は「クローキャッチ」です。
クローキャッチ(claw catch)
どんな技?
上の4つ目の動画です。“claw”つまり、「爪」ですね。爪でひっかくような形でぐわしと掴みにかかるようにしてボールをキャッチしに行きます。通常のキャッチでは、手のひらを上に向けてボールが落ちてくるのを「待つ」のが大事でしたが、クローキャッチは待たずに迎えに行きます。手のひらを下に向けて、手を上から振り下ろすようにしてボールを掴みます。チャンスと一緒で、待たずに掴み取りに行けということです(←どこの自己啓発本だ)
実はキャッチよりも投げにクローする
クローキャッチは単発で挟むときと連続でおこなうときで、投げ方が少し変わります。クローキャッチを1回だけ、単発で挟むときはキャッチの手のひらはもちろん下向きですが、クローキャッチしたボールを投げるときは通常と同じで手のひらを上に向けて投げます。しかし、連続クローキャッチになると、キャッチしてからいちいち手のひらを反すヒマがなくなるので、手のひらを下に向けた状態のままボールを投げます。実はこの投げ(便宜上「クロー投げ」と呼ばせてください)が案外難しい。しかも単発だとつい手のひらを反しちゃうのでクロー投げの練習ができない。悩ましい......
クロー投げを練習する方法としては、単発のクローキャッチができたら次は同じ手で2連続クローキャッチに挑戦してみましょう。2連続になると、少なくとも1回はクロー投げをせざるを得ない状態になります。2連続ができたら3連続、4連続...と片手連続の回数を増やしていきます。そして右手ができたら左手、とそれぞれ片手連続ができるようになってきたら両手にも挑戦(実際には片手連続、両手連続は行きつ戻りつしながら並行して練習すればよいと思います)してみましょう。だんだんクロー投げに慣れてくるはずです。
こんな技につながっていく
- オーバーヘッドカスケード(4級選択技)
- キャリー(2級選択技)
- オフザヘッド(検定外)
- ピアニスト(検定外)
- ファステストジャグリング(検定外)
- ホイール(検定外)
オーバーヘッドカスケード自体はクローキャッチをしないのですが、通常カスケードからじんわり移行するときなどでクローキャッチができると重宝するよという話です(慣れればクローキャッチを介さずに通常⇒オーバーヘッドでできるようになってしまいます)。
オフザヘッドとキャリーでは、片手だけずっとクローキャッチになります。
ピアニストとファステストジャグリングは検定外の技ですが、そのベースとなっている技は検定技の中にあります。ピアニストは、3級に出てくる技チョップを全部クローキャッチで投げたもの。ファステストジャグリングは8級に出てくる「423」という技をすべてクローキャッチにしたものです(厳密にはさらにサイトスワップ「2」をいわゆる「アクティブツー」にします)。ボールの軌道が同じでもキャッチの仕方をクローキャッチに変えるとまた別の技名がついていたりします。
ホイールは変わり種。側面から軌道を魅せる技です。やっていること自体はクローキャッチカスケードなのですが、ボールの軌道が乗っている面を冠状面から矢状面に移し、ボールの軌道で円を描きます(冠状面・矢状面に関しては過去記事参照)。
投げるときは常に身体に近いところから離れていく方向に投げて、キャッチは身体から離れた前方でクローキャッチ。今までしてこなかった奥行きの制御をしなければならない上に、観客に見せるべき軌道を、自分ではろくに確認できないという難しさ。ホイールの軌道が綺麗なジャグラーは素直に尊敬します。
再び登場浅野さんの1:52~1:58あたりとか
Yuta Asano Ball Juggling Performance
たびたび登場クリス・クレモの3:20~3:25あたりとか
組み合わせ自由自在
クローキャッチは、いわゆる標準的なサイトスワップではカスケードとの違いを表記できません。ボールの動き方を変化させる「軌道変化系」の技ではなく、投げ方掴み方のバリエーションのひとつ、「キャッチ変化系」の技だからです。逆にいえば、今までに紹介したすべての技を「クローキャッチでやってみる」ことが可能です(アンダージアームなど、相性の悪い技はありますが...)。もちろん、これから紹介していく技とも組み合わせることができます。軌道変化系の技と組み合わせて遊ぶことができる。それがキャッチ変化系の技の面白さです。
ジャグリング検定の指定技の中では、クローキャッチが唯一のキャッチ変化系の技のようです。キャッチ変化系の技は他に、ペンギンキャッチや手の甲キャッチなどがあります。(⇒と言っていたら、ペンギンキャッチが新検定3級の技に採用されました)
KRIS KREMO (MALABARISTA)
再び登場クリス・クレモ。2:19~2:24でペンギンキャッチをしています。
同じ軌道の技でも、キャッチ変化系の技を少し混ぜるとまた違った印象を与えることができるので、ぜひ色々試してみて自分のお気に入りを見つけてください。
ではまた!
......エダ話、前の技はコチラ「ハーフシャワー」
......エダ話、次の技は「キックアップスタート」(の予定)