どうも、ゴ~チョです。
ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ第3章です。
ルーチンを作ろう(3)
前回までのおさらい
人前でジャグリングを見せるときは「ルーチン/ルーティン」と呼ばれる技のパッケージのようなものを作っておくと見せやすいです。ルーチンを作る工程は人によりまちまちですが、まとめると大体こんな感じになります。
- 曲を選ぼう
- 曲を分析しよう
- 自分ができること、したいことを整理しよう
- 実際に動いてみよう
- 人に見せて意見を聞こう
で、前回は「曲を分析しよう」まで書いたので、次は「自分ができること、したいことを整理しよう」について書いていきます。
ルーチンの目的・目標を整理
自分がこのルーチンの中でやりたいこと、ルーチンの目的・目標を書き出します。これは、作っているうちにコンセプトがあっちこっちにぶれないようにルーチンの指針を固めるための作業です。書いていて気付いたのですが、曲もルーチンのコンセプトに大きく影響する要素なので、本来なら曲選びの前にこの作業をしておくべきですね...
外的制約と内的要因
じんさんのnoteでは、ルーチンの"Want"と"Have to"を「箱」と「猫」という言葉を使って区別しています。
『箱』・・・ルーチンの外枠のこと、どのようなパッケージで包むか。
『猫』・・・ルーチンの中身のこと
引用元:
猫(want)やりたいこと
技、曲、印象、「大会で勝つ」など
箱(haveto)制約 と パッケージ
時間、天井・床、客層
引用元:
例えば、結婚披露宴の出し物でジャグリングをすることになった場合は、以下のように整理できるかもしれません。
◆箱(外的制約:しなければならない/目的)
- 持ち時間は5分
- 乾杯から一時間後に開始 ⇒アルコール注意
- 床はカーペット敷き ⇒ピルエット注意
- 天井は低め ⇒ハイトスはしない
- 周囲に割れ物あり ⇒道具が飛んでいくリスキーな技は外す
- 舞台と観客席の床はフラット ⇒低い位置の技は見えにくいので外す
- 披露宴参加者は共通の知り合いが多い ⇒内輪ネタには反応してくれる
あとは、音響環境(再生機器は何か、操作者はいるのか等)によっても動き方や曲の使い方(板付か音先か等)が変わってきます。どんな曲が良いかすらも変わってくるので、実は曲選びよりも前に考えておくべきことかもしれません。(←オイ!)
「板付・音先って?」な方はこちらへ
◆猫(内的要因:やりたい/目標)
- 二人を祝福する動き・技を入れる
- Wedding関係の曲を使う
- ウキウキさせるようなイメージ
ルーチンの作り初めのときは「猫」のほうにばかり意識が向いてしまいがちなのですが、ルーチンが"ウケる"かどうかのカギを握っているのは案外「箱」の方だったりします。足元でする技に自信があって、足元系の技を中心にルーチンを作っても、披露するのが足元の見えにくい会場であったりすると非常にもったいないことになりますよね。「箱」の情報はできるだけ多く仕入れておくこと、そしてそこから予想される制約を書き出しておくこと。できるだけ細かく、具体的な方がいいです。いいルーチンを作るときに見過ごせない作業です。
ただ、「披露する場は未定だけどとりあえずルーチンを作ってみたい」「外的制約なんて知るか、俺は自分が良いと思ったものを見せるまでだ」という方は、「箱」についてはいったん脇に置いて「猫」の方を考えていきましょう。
「箱」は具体的な方がいいですが「猫」として書き出すのは抽象的なイメージでもいいです。ただし、抽象的なイメージから出発しても、そのイメージを喚起させる動き・佇まい・表情といったものはどんなものか、具体的なレベルに落とし込んでいく作業は必要になってきます。落とし込みは「実際に動いてみよう」や「人に見せて意見を聞こう」の段階で取り組んでいきましょう。
自分ができることを整理
ルーチンの目的・目標が整理できたら、次は自分が今の時点でできることを整理して配置を考えていきます。
できる技を系統ごとに書き出す
書き出せないくらいに十分な技数を持っているという方は、できる技の中で今回のルーチンに入れたい技をピックアップして書き出していくとよいと思います。いくつかの技を組み合わせた連なり(シーケンス)でもいいです。技の安定度も合わせて書いておくとルーチンの鬼門となるところや練習の勘所が事前にわかりやすくなるでしょう。「書き出す」と書きましたが技に関してはわざわざ文字に起こさなくても、動画で撮り貯めていったものを整理してもいいです。"ルーチンの部品にできるものを今どれくらい持っているか"を把握できるならどんな方法でもいいです。皆さんでやりやすい方法を見つけましょう。
ジャンプポイント用の決め技を割り振っていく
できる技のなかで、難易度の高いもの、見栄えの派手なものをピックアップしてジャンプポイント用の決め技を割り振っていきます。このとき、決め技直後の着地ポイント時のポーズと舞台上の位置も合わせて考えておくといいでしょう。ジャンプポイント・着地ポイントについては前回の記事「曲を分析しよう」で説明したのでそちらを参照。
基本的に1パートにつき1つ決め技が入る計算です。決め技の中にも難易度・見栄えの序列があるかと思います。一番の難易度・見栄えの技をどこに配置するか、これは曲の構成にも依りますし、ジャグラーの中でも意見の分かれるところです。代表的な2パターンを紹介します。
最後に入れる:ルーチンが進むにしたがって難易度を上げていき、最高難易度の技で締めくくる大団円タイプ。
冒頭に入れる:ルーチン冒頭の疲れがまだ溜まっていないうちに最高難易度の技を決める安定重視タイプ。
どちらも一理あります。個人的には「大団円タイプ」がパフォーマンスとしては好き(それに作りやすい)なのですが、ルーチンの安定度を高めるためには早めに難しい技を片付けてしまう考えもありかなと思います。まあ、実際の難易度が技の見栄えと比例するとは限らないので(ジャグラー以外にあまり教えたくない情報ですが)、最高難易度を冒頭に入れつつ大団円風のルーチンを作ることも可能ではあります。
各パートに技を割り振っていく
決め技を割り振ったら、その技にたどり着くまでの技の流れを考えます。ルーチンの時間の流れとは逆に詰めていくわけですね。はじめから順番に技を積み上げていくよりも、「決め技をより映えさせるにはどういうつなぎ方がよいか」と逆算して技を割り振っていく方が構成しやすいと思います。このとき、曲の途中の特徴的な音に合わせられる技はないか、できる技のリストから目星をつけておくといいかもしれません。各パートに技を割り振っていく作業は実際に動いてみたほうがやりやすい場合もあるので、決め技を割り振った時点でいったんノートとペンを手放してジャグリング道具に持ち替えてみてもいいでしょう。
次は「実際に動いてみよう」
技の整理がある程度終わったら、次は実際に動いてみます。
次回は最終章、「実際に動いてみよう」「人に見せて意見を聞こう」について、まとめて書きます。
ではまた!
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