日々是ジャグリング

ジャグリングを通じて感じたこと考えたことを綴っていきます。

【検定7級】初めましてコラムズ系―技の枝話その8:1アップ2アップ

北東に2千3百キロか......ゴ~チョです。

ジャグリング検定の指定技紹介、今回は「1アップ2アップ」です。

 

1アップ2アップ(1-up 2-up)

どんな技?

 
 
 
 
 
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 上の5番目の動画の技です。ボールが中央で1個、両サイドで2個上がる動作を交互に繰り返す技です。ボールの軌道が3つとも交わらず重ならず独立している技は今回が初めてかもしれません。その独立した縦の軌道にちなんで「ラムズ(columns:柱)」という別名で呼ばれたりもします。また、1アップ2アップから派生した技を「ラムズ」と総称することもあります。

f:id:juggling-gohcho:20190402234829p:plain

 1アップ2アップに挑戦するには、少なくとも左右どちらかの手で2イン1ハンド(9級選択技)の「平行パターン」ができることが前提になります。

juggling-gohcho.hateblo.jp

意外と非利き手の動きがくせもの

 1アップ2アップは、サイトスワップで表記するとこうなります。

(4,4)(4,0)

 丸カッコ(パーレン)表記が初登場しました。サイトスワップ表記において丸カッコ内に書かれた値は「左右の手で同時に投げることを表します。つまり前半の丸カッコ内は左右の手で同時に"4"の高さでボールを投げていることを示し、後半の丸カッコ内は片方の手がまたも"4"の高さでボールを投げる一方で逆の手は何も持っていないことを示しています。

 ようは、“片手で2イン1ハンドの平行パターンをしながら、外側のボールが上がるタイミングで逆の手のボールも投げる”ということです。この、“外側のボールが上がるタイミングで逆の手のボールも投げる”が案外くせものです。2イン1ハンドをしていない逆の手は1個しかボールを持っていないのにけっこう手間取ります。

だって考えてみてください。

 今までの人生で、左右の手でボールを同じタイミング、同じくらいの高さ、一定のリズムで投げ続ける(さらに利き手は並行してもう一つボールを投げる)行為をしたことが果たしてあったでしょうか(それを言い出すと今までのジャグリング検定技は全部そう言えてしまうのですが)
 練習で行き詰まったら、ボールを2個だけ持って

  • 2アップをまっすぐリズミカルに高さを揃えて投げ上げる練習
  • 2イン1ハンド平行パターンをしながら、逆の手を自由に動かす練習

をしてみてください。動きを分割して複雑さを減らした状態をまず練習するのは、今後より複雑で難しい技を覚えるときにも有効な手口のひとつです。

こんな技につながっていく

  • マイム(検定外)
  • ロボット/ファクトリー(検定外)
  • 1アップ4アップ(検定外)

 1アップ2アップからマイムへの流れは、もう古典というべきか鉄板というべきか様々なコミカルルーチンの中で永く愛された流れなのではないかと思います。僕も非ジャグラー向けのエンタメ志向ルーチンにはよく入れる組み合わせです。ゴ~チョはこの二人しか海外ジャグラーを知らんのではないかと思うくらいよく出てくる二人ですが、Michael MenesとKris Klemoの「鉄板の流れ」をどうぞ。

3:37~3:48あたりです。


THREE ROUND OBJECTS by Michael Menes

2:07~2:10あたり、僕の記憶違いでマイムしかしてませんでした(でも載せる)


KRIS KREMO (MALABARISTA)

 

 1アップ2アップマイムロボットの流れもよく見ます(し、よく使います)。ロボットは別名「ファクトリー」と呼ばれることもあります。いずれにせよ工業的趣きの漂う技名です。ロボットはジャグリングを覚え始めたころから僕のお気に入りの技でした。技のネーミングや動きのコミカルさに加えて、比較的易しい手順のわりに初見では見破られにくい複雑さとインパクトを兼ね備えたコスパな技だと思います。

ドモアリガトウミスターロボット

KILROY WAS HERE

KILROY WAS HERE

 

 


 

f:id:juggling-gohcho:20190403001233g:plain

ロボット/ファクトリー

Library of Juggling - Factory

 

 1アップ4アップは文字どおり、1つ上がって4つ上がってを交互に繰り返す技であり、1アップ2アップの上位互換です。4アップのときにマルチリリース(1つの手から同時に複数個を投げること)をします。それにともない、サイトスワップ表記では丸カッコに加えて角カッコ(ブラケット)を交えて下記のように表現されます。

([46],[46])(0,6)(2,2)

上記をひとめ見て即座に
「あぁ1アップ4アップね」
と気づく方は、ジャグラーのなかでも稀かと思いますのでジャグリング初心者の方はご安心ください。

バリエーションの入り口に

 1アップ2アップは、今まで紹介した技と比べると軌道がガラッと変わります。カスケードを基点とした動きだけではマンネリ化してしまいがちなショーにアクセントを添える、非常に使い勝手の良い技です。ジャグラーは道具を同じ色でそろえることが多い(この傾向に関しては下の別記事にて詳しく書いています)のですが、

juggling-gohcho.hateblo.jp

1アップ2アップに関しては、3つとも色違いのボールや、1つだけ色違いのボールを使うと見せるときに動きの違いが強調されて楽しいです。「ボールが一つだけ違う軌道を行く技」ばかりで構成されたルーチンなどがあっても面白そうですね。

ではまた!


......検定7級その他の技

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......記事を読んでも動画を観てもうまくいかない人は、ジャグラーの知り合いに直接教えてもらいましょう。ジャグラーの知り合いがいない方は、糟啓堂ジャグリング教室へ。zoomでのリモートレッスンも承っております。

sokeido.com