Mahna Mahna, ゴ~チョです。
ジャグリング検定の指定技紹介、今回で9級の技はラストです。
と、言いたいところですがジャグリング検定の改訂により残りあと2つあります。
2イン1ハンド(2 in 1 hand)
どんな技?
上の1つ目の動画です。文字通り、1つの手で2つのボールを投げる技です。日本式のお手玉に慣れ親しんだ方だとたまに、ボールの軌道面が身体の面に対して垂直な“前後の軌道”(解剖学的にいうと「矢状面」上)で投げがちです。
しかし、技の安定させやすさ/他の技への応用/正面の人に見せたときの軌道の見やすさにおいて、身体の面と平行な“左右の軌道”(解剖学的にいうと「冠状面」上)で投げるほうが圧倒的に有利です。はじめのうちは少し腕が窮屈に感じるかもしれませんが、そのうち慣れてきますので頑張って続けてみてください。
矢状面 - Wikipedia
動画でも投げているとおり、2イン1ハンドには、内回し、外回し、平行といった3パターンの投げ方があります。検定では、内回しのみが判定対象なので受験時は気をつけましょう。各パターンの習得難易度はその人によりけりですが、僕個人の経験では、内回しがまず安定し、次に平行、安定に時間がかかったのは外回しのパターンでした。
9級選択技の鬼門
先に紹介した他の9級選択技に比べて、今回の2イン1ハンドが異質だなと思う点が2つあります。1点目が、(「カスケード回転」を除き)唯一の継続技であること。他の9級選択技は、単発で左右1回ずつ成功するだけでOK!それに対し、2イン1ハンドだけ連続で20キャッチも(しかも両手とも!)できないと成功になりません。ある意味9級選択技の鬼門といえるでしょう。9級取得のために2イン1ハンドを選択技から外すのも一つの手です。
初めて出てきた“4”の要素
2in1ハンドが異質な点その2。それは、9級選択技で唯一、サイトスワップに“4”を含む技であるということです。「サイトスワップってなんやねん」という方は、下記の記事をご覧ください。
さて、サイトスワップ表記では「腕の下」や「脚の下」などの投げ方は基本的に区別できない(区別できる発展表記法もあります)ので、他の9級選択技はサイトスワップ的にいうとどれも“3”です。一方で、2イン1ハンドをサイトスワップで表記すると“40”(「よんじゅう」ではなく、「よんぜろ」)となります。この技だけ違うんです。
もう少し、サイトスワップの話にお付き合いください。サイトスワップにおける“4”という数字は「4個のモノをジャグリングするときの高さで投げる」ことを示し、“0”は「手に何も持っていない状態」を示します。投げる高さの指定は左右の手で交互になされるので、“40”というのは「一方の手は4個のモノをジャグリングするときの高さで投げ続け、もう一方の手はずっと休んでいる」状態を表現しているのです。ここで、「休んでいる手」にもボールを持たせて「4個のモノをジャグリングするときの高さで投げる」をやらせてみましょう。サイトスワップは“44”(大抵はループの最小単位に省略して“4”とだけ表記します)と表記され、これはファウンテン(6級必須技)という4個ジャグリングの基本技になります。
つまり、2イン1ハンドとはファウンテンを片手だけ休ませている状態であり、逆にいえばファウンテンとは2イン1ハンドを両手で同時にしている技であるといえます。
こんな技につながっていく
- 1UP2UP(7級選択技)
- 423(8級選択技)
- 441(5級選択技)
- ファウンテン(6級必須技)
- バークスバラージ(検定外)
- ボックス(6級選択技)
- シンクロファウンテン(4級選択技)
- キャリー(2級選択技)
- 3イン1ハンド(1級選択技)
1UP2UPは、2イン1ハンドの平行パターンができることが前提になります。423や441はサイトスワップ“4”に親しむコーナー。これらはリズムさえつかめば2イン1ハンドの20キャッチよりむしろ簡単かもしれません。バークスバラージは423の亜種です。ファウンテンは上でも書いたように「両手で2イン1ハンド」です。シンクロファウンテンは左右の手のスロー&キャッチのリズムを揃えたパターンです。キャリーは2イン1ハンドをしている状態から技に入る練習をよくします。3イン1ハンドはその名のとおり「片手で3個投げる」技です。
ジャグリング検定の指定技ではないのですが、「マイム」と呼ばれる技の系統があります。端的にいえば「2イン1ハンドをしている最中に、休んでいる方の手で何やらする」系統です。マイム系統の技のひとつにYO-YOというものがあり、下記の画像のような動きをします。ボールがまるで見えない糸に吊るされたヨーヨーの様に見えることからこの名がついています。
鬼門いやむしろ登竜門
上にも書いたように、2イン1ハンドは今後の検定技である1UP2UPや423において習得必須の要素です。ましてや6級~3級の必須技であるファウンテンなんかは“両手同時に2イン1ハンドを投げる技”です。9級取得時に2イン1ハンドを避けることはできても、後々の上達を考えると避けて通ることは困難でしょう。逆に言うと、この技を習得してしまえば様々な技への可能性が開かれます。敢えて選択技として早めに挑戦しておくのが、実は王道なのかもしれません。
最後に、2イン1ハンドを中心に構成されたユニークでコミカル、シンプルでいて地味にハイレベルなMichael Karas氏のルーチンでこの記事をしめくくりたいと思います。
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ではまた!
......枝話、前回の技はコチラ「アンダージアーム」
......枝話、次回の技はコチラ「ハーフシャワー」
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