こんにちは、ゴ~チョです。
その昔、Tで始まる大手ホームセンターぐらいしかジャグリング道具の入手経路を知らなかったころの話です。
(ジャグリング道具の入手経路については下記の記事にまとめています)
初めてジャグリング専用の本格的な道具を買って、ほくほくしながらふとレシートを見ると、品名の箇所にこう書いてありました。
「マジック用品」
…ほくほくが、やや冷めました。
僕はマジシャンになりたいんじゃないんだ!
今回はジャグリングと混同されがちなよく似たものについて書いていきます。
ジャグリングはマジックの一部?
前回に引き続き登場、Wikipediaのジャグリングの項。狭義でなく広義のほうです。
広義では、手に保持できる程度の道具を使った、修練の必要な特殊な技能または芸を指す。
あれ?これマジックもそうじゃね?
これが悲劇の元凶な気がしてきました。
実際、特殊な技能同士で相性が良かったりするのです。
マジシャンの中にはマジックの中に一部ジャグリングを混ぜることでより不思議さを際立たせている方もいます。(下記動画参照)
Yann Frisch Vivement dimanche 22/12/13
また、大学のジャグリングサークルの中には、奇術研究会の一部であったり、ルーツが奇術研究会であったりするところもあるようです。また、世界のジャグリングの歴史について書かれた下記の本によると、パフォーマンスとしての「ジャグリング」がマジックやその他の演目と明確に独立し始めたのは20世紀初頭に入ってからなのだそうです。
しかし、そのような背景もあった上で言いますが、
やはり現代におけるマジックとジャグリングは似て非なるものです。
マジックは、修練した技術の全容が観客に見えてはならない。
(技術は不思議な現象を見せるための手段)
ジャグリングは、修練した技術そのものを見せる。
(技術そのものが見せるべき現象であり、目的)
「何やってるか」を観客に理解されてしまうと、マジックはその価値をほぼ失ってしまいますが、ジャグリングは痛くも痒くもありません(ちょっと痒いかも)。
ジャグリングに似ているものその他
マジックとの違いを書いた勢いで、その他の似たジャンルについても考えてみます。
新体操、バトントワリング
非常に共通項の多いジャンルです。ジャグラーの中には新体操やバトントワリングの動きを参考にしてその技術を取り込む人もいたりします。
あくまで個人的見解であえて違いを述べるとすれば、
新体操やバトントワリングにおいては(道具の操作も含めた)身体操作性が主に評価されるイメージがある一方で、ジャグリングにおいてはあくまで主眼は道具の操作性で、身体操作そのものの評価は二の次の印象があるといったところでしょうか。
リフティング
これも定義としてはジャグリングと非常に近いです。リフティングがメインパフォーマンスの大道芸人さんもいらっしゃったりします。大会もあるらしいです。↓
FINAL BATTLE - Charly (Argentina) vs Kosuke (Japan) :: Red Bull Street Style 2016
ただ、別のスポーツの派生から生まれた種目だからでしょうか。ジャグリングコミュニティとの交流はあまりないイメージです。また、こちらも新体操やバトンと同様、難易度が上がるにつれて道具の操作よりもアクロバティックな体術のほうが発達していくところが、ジャグリングと一線を画する要因である気もします。
和太鼓
道具を使った修練の必要な技能で、しかもバチ捌きのような視覚的要素もあるため、広く広く意味をとればこれもジャグリングかもしれません(関係者に怒られるかな...)。しかし、和太鼓の主眼はやはりその音にあるため、視覚的要素を主眼に置くジャグリングとは別物であるというべきでしょう。
改めて定義しなおすならば
完全とは言い切れませんが、これがより正確な定義になるかと思います。
「手に保持できる程度の道具を使った、修練の必要な操作技能そのものを主として見せる芸。」
ただし、ジャグリングは他ジャンルの技術を吸収しながらその定義を広げてきた芸です。今も新たなパフォーマンスの可能性を模索しながら様々なジャンルから要素を吸収し続けています。
もしかしたら、この定義もあっという間に陳腐化するかもしれません。