日々是ジャグリング

ジャグリングを通じて感じたこと考えたことを綴っていきます。

「正しい発声」について随分と誤解していた―鴻上尚史『発声と身体のレッスン』

どうも、ゴ~チョです。
現在、プライベートで「ジャグリング・ユニット・フラトレス」という団体で制作(ざっくり言えば裏方)の仕事をしています。演出要素にジャグリングを取り込んだ演劇作品がウリの団体です。

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この団体との絡みを機に、演劇関連の書籍をちょくちょく読み始めています。
15年前に出版された本の増補版なのですが、「発声」について色々と誤解していたことがわかったのでまとめてみます。役者に限らず、大道芸で声を出すジャグラーにも役立つ情報ではないかと思います。

鴻上尚史『発声と身体のレッスン』

発声と身体のレッスン 増補新版 ─ 魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために

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発声やそれにまつわる事柄について、僕が強く思い込んでいたことから、なんとなくそうじゃないのと思っていたことまで5つほど並べました(実はもっとありましたがここでは5つだけ紹介します)

  1. 目指すべきただ一つの「正しい発声」がある
  2. 腹式呼吸のためには腹筋を鍛える必要がある
  3. 「ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ」を力強く短く切って言う発声練習
  4. 滑舌の訓練といえば早口言葉や「外郎売り」
  5. 皆で掛け声を出してストレッチ

『発声と身体のレッスン』を読んでわかりましたが、これら全て誤解のようです。
書籍の内容と照らしつつ、ひとつずつ説明していきます。

 

「正しい発声」は一つではない

響いてよく通る声がいわゆる「正しい発声」と思われがちですが、著者鴻上氏の考える「正しい発声」とは"自分の感情やイメージがちゃんと表現できる声を手に入れること"です。感情やイメージによっては「よく通り、響く声」がふさわしくないときもあります。また、たとえ声帯に負担がかかったとしても「押しつぶした声」が感情やイメージに適っているのならばそれが「正しい発声」たりうるということです。ただひとつの「正しい発声」があると思い込むことは表現力の幅を狭めることにも繋がるといいます。

 

腹筋運動は"丹田"を意識するための手段に過ぎない

「正しい発声には腹式呼吸が必要」

ここまでは問題ありません。

腹式呼吸を身につけるためには腹筋を鍛える必要がある」

これは少し違います。腹式呼吸の際に重要となる"丹田"(臍のこぶしひとつ分下辺り)を意識しやすくするための手段として腹筋運動がよく採用されているというだけです。

 

発声練習は力んじゃダメ

「ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ...」

発声練習と言えばコレ、みたいなところがありますが、スタッカートを利かせて力みながら勢いよく発声するのは間違いだそうです。声帯を守るためにもとにかく力まないこと。短く切って言おうとするとつい力んでしまうので、最初は「アーエーイーウーエーオーアーオー」と力を抜いて伸ばして発声します。その後で、力まないように注意しながら短く切った「ア、エ、イ、ウ...」をやっていくのが声帯に負担をかけない手順のようです。

 

感情やイメージを無視した早口では意味なし

早口言葉と「外郎売り」*1、滑舌の訓練といえばこれらのイメージですが、鴻上氏曰く、これらで練習した人が陥りがちな二つのクセがあります。

  • 言いにくい言葉を言う時に、緊張するクセ
  • 感情やイメージがない言葉を、一生懸命に言うクセ

この書籍で一貫して言われているのが、"発声のときに身体に余計な緊張を入れないこと"です。その主張を鑑みれば、上記の一つ目のクセがよくないのは言わずもがなですね。
二つ目のクセに関しては、こういった記述があります。

 俳優の仕事は、自分のしゃべる言葉に溢れる感情やイメージを込める仕事です。
(中略)
 ですから、「早口言葉」を言う時も、難しくて、同時に自分がイメージしやすいものを選んでください。そして、早口言葉と思わず、セリフのひとつとしてイメージして言うのです。

頭ごなしに早口言葉がダメというわけではなく、取り組み方の問題ということです。「外郎売り」については、およそ300年ほど前の文章に出てくる古めかしい言葉にどれだけイメージや感情を乗せてしゃべることができるかを問われます。俳優としてはただ早口で淀みなくしゃべれても意味はなく、言葉のイメージを持ちながら、かつ早口が求められます。早口言葉にしても感情やイメージを込める練習が必要になるわけですね。

 

ストレッチは"自分の「からだ」との対話"

演劇部や劇団での稽古で、あるいは運動部の練習前に、メンバーが円になって
「いーちにーさんしー...」
と言いながら掛け声に合わせてストレッチをする光景は想像に難くなく、みなさん馴染みのあるものだと思います。アレ本当はよろしくないらしいです。
鴻上氏はこう述べています。

 ストレッチとは、あなたの「からだ」とあなたの"対話"です。あなたの「からだ」は毎日、コンディションが違います。ストレッチは、あなたがあなたの「からだ」に、「今日の具合はどうですか?」と問いかけるものなのです。それを、中学や高校の時にやったように「いっち、に~、さん、し~」と円陣を組みながら、全員でやっては、まったく意味がないどころか、害悪になります。あなたの「からだ」の大切な声を、あなたが聞き漏らしてしまう可能性があるのです。 

ストレッチは一人一人が自分の「からだ」の声に注意しながら、自分のリズム、自分のペースですべきものということですね。

 

義務教育の体育か音楽の時間に教えるべきではないか

この書籍、いくら増補版とはいえ、メインとなる内容は初版とそうそう変わっていないはず。それなのに未だに発声や腹式呼吸に関する誤解が世間で払拭されていないのはいったい誰の怠慢なのでしょうか(それとも僕が情報弱者なだけですか?)
声優や俳優ほどではないにしろ、仕事で声を出す必要がある人って結構いるのではないかと思います大道芸人もそうだし、学校の先生も声使いますよね)。無理なく声を出し、ながく声帯を守るための「正しい発声」「正しい身体」のレッスン。この書籍にあるレッスンの一部の実践だけでも、あるいは知識だけでも役に立つ人は少なくないでしょう。


個人的には、"ダンスでリズム感や表現力云々..."という前に「正しい発声」について義務教育で教えるべきじゃないかと思いました。

ではまた!

 

発声と身体のレッスン 増補新版 ─ 魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために

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*1:享保3年(1718年)に初演された歌舞伎の演目の一つ。今日ではその劇中に出てくる外郎売の長科白を指すことが多い。暗唱、発声練習や滑舌の練習に使われている。

ジャグリングが登場する作品の紹介(9)―袁藤沖人『ジャグリ』

どうも、ゴ~チョです。

今回の記事は『ジャグ作』9本目です。
もうお気づきかとは思いますが、このブログでの紹介順と、作品の新旧の順は必ずしも対応しませんのであしからず。あくまで僕の目に留まった順です。

袁藤沖人『ジャグリ』 全2巻

ジャグリ 1 (電撃コミックス)

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ジャグリ (2) (電撃コミックス)

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 ジャグリ=大道芸

「ジャグリ」

ジャグラーたちにとっては、すごくざわざわするタイトルですね。
英題の綴りは「juggle」でまさしくそのものですし。

 

舞台は中世のイスラム文化圏をモデルにした世界。
「砂漠の国」の第三王子のアムシャスは、王子であると同時に町なかのサーカス団「アラテュルカ・アラギュン」の団長も務めています。ここでいうジャグリとは大道芸全般を指すようです(なんだジャグリングじゃないのか...)。アムシャスの披露するジャグリは今日も拍手喝采。しかし客席のなかに笑わない女性が一人。実はその女性、父王が招いたロプ・ノールの民の姫巫女でした。ロプ・ノールの姫巫女は、笑えばその地に太陽を、涙すれば雨をもたらすとされ、普段から感情を封じています。父王はアムシャス含む3人の息子に「姫巫女に涙を流させた者を後継者とする」と告げました。しかしアムシャスはサーカスでの姫巫女の表情が気になったのか「俺は笑わせる!」と宣言します(いやいや王子よ)。さて姫巫女は感情を顕わにすることができるのか、後継者に決まるのは果たして誰なのか...

といったところが大まかなあらすじです。

 

「ジャグリ=大道芸」ということであまり物を投げたりはしないのですが、現代日本のジャグラーが「ジャグリング」と認識する動作をしている場面は2巻で登場します。しかもけっこう大事な場面です。

緻密な線で構成された壮大なアラビア世界

表紙を見ても分かるとおり、非常に緻密で細かい絵を描く方です。表紙の密度が本編でもずっと続きます。それをアシスタントに頼らず全部ひとりで描かれたそうで、大変な労力がかかったものと窺えます。市場のシーンなど、その場の活気や熱気もそのまま迫ってくるかのようです。


「これはイラスト用の描き方であって漫画の絵の描き方ではない」とする書評もいくつか見られました。確かに、絵の緻密さゆえに人物が背景に埋もれて物語を追いにくいところはあります。作者は元々はゲームのグラフィッカーだったということもあり、そのときの癖のようなものがあるのかもしれません。それも含め特徴かなと思います。

おっと流石に俺では五個が限界だッ

2巻の中盤あたりでお手玉(アストラガリ)が登場します。よくイラストで見かけるありえないシャワー軌道ではない時点で好感度大です。球を持つ手つきもリアル。何よりアストラガリを披露した人物(彼は大道芸人ではありません)のセリフが絶妙です。

「おっと流石に俺では五個が限界だッ」


「なぁに子供は飲み込みが早い
 六つ八つはすぐに覚えるだろう」

...趣味ジャグラーには胸に刺さるものがあると思います。5個まではなんとなく練習していてもできるようになってたりするんですよね。6個8個(なぜ7個を飛ばしたのか)になると挫折する人も多数出てきます。それを尻目にキッズジャグラーが平然と8個投げてるのを目の当たりにしたり...作者は個数と難易度の妙をよくご存じのようです。

広げに広げた世界観のその先は...

大道芸、王位継承争い、姫巫女の力、砂漠の大交易都市、過去の戦争、市民にはびこる大麻、ランプの魔神(出てきます)...魅力的な物語の要素盛りだくさんですが、これだけ盛りに盛って、全2巻。果たして消化しきれているのかどうか、それは読んでみてのお楽しみということで(察し)。よくよく取材されたのだと思います。取材して魅力的に感じたことって全部盛り込みたくなりますよね。


願わくば、30巻くらい費やして、この世界観を余すことなく伝えられるスケールの物語を読んでみたいものです。

ではまた!

 

ジャグリ 1 (電撃コミックス)

ジャグリ 1 (電撃コミックス)

 

 

ジャグラーは一度小林賢太郎作品を観よう―KAJALLA#2『裸の王様』感想

どうも、ゴ~チョです。

先日、小林賢太郎主宰のコント集団KAJALLAによる第二回公演『裸の王様』を観てきました。今回はその感想を書きます。公演にジャグリングが登場するわけではありませんが、ステージ上でジャグリングを絡めた公演を打とうとしている人には何らかのヒントを得てもらえるのではないかと思って書いていきます。(大層なこと言ってますが、ただ単にジャグラーにこの公演を紹介したいだけです)

 

まだツアー中ということもあり、コントのオチ部分や笑いの核になる内容は極力書かないように努めますが、一切のネタバレを嫌う方はそっとブラウザを閉じてください。そして、KAJALLA#2『裸の王様』を観てからまたこのページに戻ってきてください。コメント欄でおおいに語り合いましょう。

コントマンシップKAJALLA #2『裸の王様』

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幕間でも退屈させない工夫

『裸の王様』はオムニバス形式のコント作品群でした。K.K.P作品は一つの大きな物語の各所に笑いを散りばめた作りでしたが、KAJALLAではコントマンシップと冠するだけあって笑いの純度が高かったです。オムニバス公演やコント作品群の場合、幕間のセット切り替えでどうしても間が空いてしまいますよね。ある意味ここは観客の休憩時間。暗転した薄闇でうごめく人影は半分見ない振りをするのが暗黙の了解になっているかもしれませんが、『裸の王様』ではこの時間も目をそらすのはもったいない。シンプルな箱、木枠で構成されたセット群を積み木のように組み替えて、あるときははスツール、あるときはソファ、あるときはデスク、あるときはベッド、戸口になったかと思ったら次はコーナーロープ、次の場面が組みあがる過程を観るのも楽しいのです。組み替える途中に少し遊びを入れたりもするので、暗転したからといって気を抜いていると笑いどころをひとつ見逃したりします。

 

シンプルな箱を使った多様な表現はラーメンズの頃から顕著で、特に秀逸なのが『TOWER』の「名は体を表す」です。(この演目では幕間でなくコント中にガンガン組み替えてますが)


ラーメンズ『TOWER』より「名は体を表す」

 

アクシデンタルな演目がリピーターを呼ぶ?

映画やTVドラマと違って人がリアルタイムに動く演劇やコント作品は、毎回が一発勝負でやり直しが利かないというリスクをはらんでいます。人が演じている以上、厳密にまったく同じものというのは(映像作品として残すなら別ですが)二度とみられないとも言えます。しかし、その再現不可能性は逆に映画やTVドラマには出せない魅力たりうるのではないでしょうか。特に、笑いというのは予定調和を壊すことで生まれるともいわれていますから、コント公演において再現不可能性は大きな武器のひとつかもしれません。あえて台本を書かずに役者のアドリブに任せる「大喜利コーナー」とも呼べる時間を作るのです。『裸の王様』でも「ここ自由にやってるんだろうな、共演者ごと笑かせにかかっているな」と感じたところがありました。毎回違うものがみられそうなアクシデンタルな演目がひとつあると、「別の日程では何やるんだろう」という興味によって観客のリピート率が上がりやすくなるのではないでしょうか。


アクシデンタルという意味では、ジャグリングもその最たる例だといえます。この特性を上手く活かす方法を見つけられれば、舞台公演にジャグリングを取り入れる団体が増えるかもしれませんね。(実は小林さんと今回の共演者・久ヶ沢徹さんは『ロールシャッハ』という別作品で6リングパッシングを披露しています。既にジャグリングしてるじゃん!)

小林賢太郎演劇作品「ロールシャッハ」 [DVD]
 

 

他ジャンルへの興味の入り口としてのコント

『裸の王様』の中に、有名な狂言の作品からモチーフをとっている演目がありました。元ネタを知っていても知らなくても十分楽しめる内容でしたが、やはり元ネタを知っていた方がニヤッとできる箇所は多かったと思います。ラーメンズも含め小林さんのコント作品には文学作品など一見コントとは関係なさそうなジャンルの文化を背景に置くものがいくつかあります。そこには、自分の作品を入り口に他の芸能や文化活動への興味も広げてもらおうとする姿勢が窺えます。まるで「世の中にはコント以外にもたくさん面白いものがあるよ」と言われているようです。


銀河鉄道をモチーフにした作品


ラーメンズ『TEXT』より「銀河鉄道の夜のような夜」


●落語をパロディ化した「新噺」


ラーメンズ『ATOM』より「新噺」

 

古参のファンが喜ぶ「ネタのスターシステム

『裸の王様』にはラーメンズの頃からの古参ファンが喜ぶ小ネタが随所に散りばめられていた気がします。漫画家の手塚治虫がよく使った手法として、別作品の主人公を他の漫画のエキストラや別役で登場させるスターシステムというものがあります。『裸の王様』のそれはまさに「ネタのステーシステム」。今回特に感動したのが、ファンの間では大人気のあのキャラクターを再び見られたことです。決して初見さんを置いてけぼりにするような構成にはせず、それでいて、長く小林賢太郎作品に触れている人ほどニヤリとできる箇所が多い配慮は古参ファン(と自分でいうのはおこがましいですが)としてはありがたいことです。

 

※この辺の作品を見てから『裸の王様』を観るとより楽しめると思います。


ラーメンズ『home』より「ファン」

 

www.youtube.com

 


ラーメンズ『ALICE』より「バニー部」

 

●『GOLDEN BALLS LIVE』の「就職浪人ホームドラマ」と「語感祭り」

Rahmens presents 『GOLDEN BALLS LIVE』 NAMIKIBASHI Satellite mix [DVD]

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「おもしろい」の可能性を探求する人

以上、ジャグリングとほぼほぼ関係ない記事となりました。しかし、小林さんの「おもしろい」に対する探究心、観客を楽しませるための創意工夫は、コントの枠にとらわれずエンターテインメントに従事する人すべてに参考になるものなのではないかと思います。ジャグラーも然りです。
以前にこのブログで書籍を紹介した池田洋介さんも2009年のJJFワークショップで「小林賢太郎の作品が好きで、自分も影響を受けている」とお話されていました。

juggling-gohcho.hateblo.jp

 池田さんの作品が好きなジャグラーなら小林賢太郎作品もきっと好きになると思います。まだ観たことない人は是非一度。

ではまた!

 

動いてみよう・見てもらおう:"ギャップ"を明らかにする ― ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ【ラスト】

どうも、ゴ~チョです。

ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ最終章です。

ルーチンを作ろう(4)

前回までのおさらい

人前でジャグリングを見せるときは「ルーチン/ルーティン」と呼ばれる以下略
ルーチンを作る工程は以下略

  1. 曲を選ぼう
  2. 曲を分析しよう
  3. 自分ができること、したいことを整理しよう
  4. 実際に動いてみよう
  5. 人に見せて意見を聞こう

前回は「自分ができること、したいことを整理しよう」まで書きました。次は「実際に動いてみよう」「人に見せて意見を聞こう」について書いていきます。

"ギャップ"を明らかにする

「実際に動いてみよう」と「人に見せて意見を聞こう」をまとめて一回で書こうと思ったのには2つ理由があります。ひとつは、それぞれの項目について書くことがあまりないということ。もうひとつは、これら2つの作業は主観・客観に分かれているもののどちらも当初描いたルーチンのイメージと実際の動きとのギャップを明らかにする作業なのではないかと気づいたからです。

 

●実際に動いてみる⇒主観的なギャップを明らかにする

  • 想定していた技のリズム ⇔ 実際に技をしたときのリズム
  • 想定していた流れのスムーズさ ⇔ 実際に動いたときのスムーズさ
  • 想定していた技の安定度 ⇔ 実際に動いたときの安定度

 

●人に見せて意見を聞く⇒客観的なギャップを明らかにする

  • 自分が狙ったイメージ ⇔ 相手に伝わったイメージ
  • 自分が狙ったポーズ ⇔ 相手に見えていたポーズ
  • 自分が狙った盛り上がり(ジャンプポイント) ⇔ 相手が盛り上がったポイント

実際に動いてみよう

上でも少しまとめたとおり、実際に曲に合わせて動いてみることで、大まかに下記の3点が想定どおりかを確認します。そして、想定と異なるところがあれば逐次修正していきます。

  1. 曲のリズムに合わせて技ができるか
  2. スムーズな流れで次の技に移行できるか
  3. 技は自分が想定したとおりの安定度か

前回の記事でも触れましたが、ミケ派は"曲の分析"、"自分ができることの整理"、"実際に動いてギャップの修正"を同時並行で実行しているイメージです。

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技のリズムのギャップ

曲に合わせて動いてみると、どうも拍数が足りない/余る。そんなときは技の繰り返し回数を調整したり、入れていた技を削ったり、別の技を足したりしてみてください。技を開始するタイミングを前後にずらすのもいいかもしれません。全体的にあまりにも合わない場合は曲を編集してテンポを変えるか、思い切って曲を選びなおしてみてください。

流れのスムーズさのギャップ

自分で思っていたよりも技の流れがスムーズではない。それは練習を積むことで払拭されるかもしれませんが、何度試してもスムーズにいかない場合は技の組み合わせを変えてみるのも一つの手段です。

安定度のギャップ

同じ技でも、その技に単発で挑む場合と、ある一定の流れのもと挑む場合とでは勝手が違ってきます。ルーチンで想定した流れの中で安定して技を決めることができるかどうか。練習を積むことで安定度はある程度増しますが、ルーチン中の成功率が6割を切るような技は思い切って削ったほうがよいかもしれません。

人に見せて意見を聞こう

ここでいう「人」は、必ずしも他人でなくていいです。ルーチンを自撮りして、“ひと晩寝かせた自分”に見てもらって感想を記録するのでもよいと思います。本番前に一度、自分のルーチンを客観的にみる機会を設けるという点が大事です。経験者がいればより実用的なアドバイスをもらえるかもしれません。しかし、本番で想定される観客がジャグリング経験者でない場合は、むしろジャグリング経験のない人に見てもらって印象を尋ねたほうが建設的だったりします。

アドバイスを聞くときのポイントは以下の3つです。

  1. 自分がこのルーチンで伝えたい雰囲気・イメージは相手に伝わっているか
  2. 着地ポイント時のポーズ、ジャグリング中の姿勢は自分の想定どおりか
  3. 自分が狙ったジャンプポイントで相手は盛り上がってくれたか
イメージのギャップ

例えば、見る人の心が楽しくなるようなルーチンを作ろうとしてるとします。見てもらった人が違う印象を抱いた場合、それはなぜか掘り下げて聞いてみるとよいでしょう。もしかしたら、緊張で知らず知らず顔がこわばっていたのかもしれません。曲があまり楽し気ではなかった、あるいは動きがやや消極的だったということも考えられます。

姿勢のギャップ

自分ではジャグリング中に背筋をピンと伸ばしていたつもりでも、第三者から見てみると猫背になっている場合があります。技に集中するあまり、口が半開きになっていた、足ががに股になっていた。ジャグラーであれば、余程セルフイメージが正確でない限り一度は通る道なのではないでしょうか。

盛り上がりのギャップ

「どうだスゴイだろこの技、ドヤァ」と思っていても、見る側からするとピンとこない技というものも少なからずあります。たとえ盛り上がらなくとも玄人に伝わればそれでよしとするパートがあってもいいとは思いますが、ルーチンの一番の盛り上がりポイントには、やはり見る側が盛り上がれる技をいれたいものです。逆に演じる側からすれば省コストでも見る側としては盛り上がる技を見つけられればしめたものです。(そういった省エネ技ばかりだと自分自身がカタルシスを味わえないのがジャグラーの切なき性ですが...)

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とにかく作ってみましょう

以上、4部構成でお送りした「ルーチンの作り方まとめ」、いかがでしたでしょうか。いろいろ理論めいたものを書き連ねましたが、ルーチンは作ってみるのが一番。ルーチン作りの経験を重ねれば重ねるほど、自分に合った方法が見えてくると思います(当たり前か...)。あとは、上手い人の良いルーチンをたくさん見ることです。自分が「かっこいい」「素敵」と思ったルーチンと自分のルーチンの違いを比べてみると、自分が思い描く理想のルーチンが具体的なものへと近づいていくでしょう。

...今回の4部作は書く前にもう少し自分の中でまとめてから書くべきでしたね。反省

ではまた!

『猫』かわいいけど、『箱』にも気を配ってね ― ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ(3)

どうも、ゴ~チョです。

ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ第3章です。

ルーチンを作ろう(3)

前回までのおさらい

人前でジャグリングを見せるときは「ルーチン/ルーティン」と呼ばれる技のパッケージのようなものを作っておくと見せやすいです。ルーチンを作る工程は人によりまちまちですが、まとめると大体こんな感じになります。

  • 曲を選ぼう
  • 曲を分析しよう
  • 自分ができること、したいことを整理しよう
  • 実際に動いてみよう
  • 人に見せて意見を聞こう

で、前回は「曲を分析しよう」まで書いたので、次は「自分ができること、したいことを整理しよう」について書いていきます。

ルーチンの目的・目標を整理

自分がこのルーチンの中でやりたいこと、ルーチンの目的・目標を書き出します。これは、作っているうちにコンセプトがあっちこっちにぶれないようにルーチンの指針を固めるための作業です。書いていて気付いたのですが、曲もルーチンのコンセプトに大きく影響する要素なので、本来なら曲選びの前にこの作業をしておくべきですね...
ぴよっと花びらノートでは親切にも情報整理用のワークシートをダウンロードできるようになっているので、良ければ使ってみてください。

piyochan0blossom0.blog.fc2.com

外的制約と内的要因

じんさんのnoteでは、ルーチンの"Want"と"Have to"を「箱」と「猫」という言葉を使って区別しています。

『箱』・・・ルーチンの外枠のこと、どのようなパッケージで包むか。
『猫』・・・ルーチンの中身のこと

 

引用元:

ルーチンのつくり方 第一段階 〜がっこうぐらし!ルーチンの場合|じん|note

 

猫(want)やりたいこと
技、曲、印象、「大会で勝つ」など
箱(haveto)制約 と パッケージ
時間、天井・床、客層

 

引用元:

ルーチンのつくり方WS 記録|じん|note

 

例えば、結婚披露宴の出し物でジャグリングをすることになった場合は、以下のように整理できるかもしれません。

(外的制約:しなければならない/目的)

  • 持ち時間は5分
  • 乾杯から一時間後に開始 ⇒アルコール注意
  • 床はカーペット敷き ⇒ピルエット注意
  • 天井は低め ⇒ハイトスはしない
  • 周囲に割れ物あり ⇒道具が飛んでいくリスキーな技は外す
  • 舞台と観客席の床はフラット ⇒低い位置の技は見えにくいので外す
  • 披露宴参加者は共通の知り合いが多い ⇒内輪ネタには反応してくれる

 

(内的要因:やりたい/目標)

  • 二人を祝福する動き・技を入れる
  • Wedding関係の曲を使う
  • ウキウキさせるようなイメージ

ルーチンの作り初めのときは「猫」のほうにばかり意識が向いてしまいがちなのですが、ルーチンが"ウケる"かどうかのカギを握っているのは案外「箱」の方だったりします。足元でする技に自信があって、足元系の技を中心にルーチンを作っても、披露するのが足元の見えにくい会場であったりすると非常にもったいないことになりますよね。「箱」の情報はできるだけ多く仕入れておくこと、そしてそこから予想される制約を書き出しておくこと。できるだけ細かく、具体的な方がいいです。いいルーチンを作るときに見過ごせない作業です。


ただ、「披露する場は未定だけどとりあえずルーチンを作ってみたい」「外的制約なんて知るか、俺は自分が良いと思ったものを見せるまでだ」という方は、「箱」についてはいったん脇に置いて「猫」の方を考えていきましょう。

「箱」は具体的な方がいいですが「猫」として書き出すのは抽象的なイメージでもいいです。ただし、抽象的なイメージから出発しても、そのイメージを喚起させる動き・佇まい・表情といったものはどんなものか、具体的なレベルに落とし込んでいく作業は必要になってきます。落とし込みは「実際に動いてみよう」や「人に見せて意見を聞こう」の段階で取り組んでいきましょう。

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自分ができることを整理

ルーチンの目的・目標が整理できたら、次は自分が今の時点でできることを整理して配置を考えていきます。

できる技を系統ごとに書き出す

書き出せないくらいに十分な技数を持っているという方は、できる技の中で今回のルーチンに入れたい技をピックアップして書き出していくとよいと思います。いくつかの技を組み合わせた連なり(シーケンス)でもいいです。技の安定度も合わせて書いておくとルーチンの鬼門となるところや練習の勘所が事前にわかりやすくなるでしょう。「書き出す」と書きましたが技に関してはわざわざ文字に起こさなくても、動画で撮り貯めていったものを整理してもいいです。"ルーチンの部品にできるものを今どれくらい持っているか"を把握できるならどんな方法でもいいです。皆さんでやりやすい方法を見つけましょう。

ジャンプポイント用の決め技を割り振っていく

できる技のなかで、難易度の高いもの、見栄えの派手なものをピックアップしてジャンプポイント用の決め技を割り振っていきます。このとき、決め技直後の着地ポイント時のポーズと舞台上の位置も合わせて考えておくといいでしょう。ジャンプポイント・着地ポイントについては前回の記事「曲を分析しよう」で説明したのでそちらを参照

 

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基本的に1パートにつき1つ決め技が入る計算です。決め技の中にも難易度・見栄えの序列があるかと思います。一番の難易度・見栄えの技をどこに配置するか、これは曲の構成にも依りますし、ジャグラーの中でも意見の分かれるところです。代表的な2パターンを紹介します。

 

最後に入れる:ルーチンが進むにしたがって難易度を上げていき、最高難易度の技で締めくくる大団円タイプ
冒頭に入れる:ルーチン冒頭の疲れがまだ溜まっていないうちに最高難易度の技を決める安定重視タイプ

 

どちらも一理あります。個人的には「大団円タイプ」がパフォーマンスとしては好き(それに作りやすい)なのですが、ルーチンの安定度を高めるためには早めに難しい技を片付けてしまう考えもありかなと思います。まあ、実際の難易度が技の見栄えと比例するとは限らないのでジャグラー以外にあまり教えたくない情報ですが)、最高難易度を冒頭に入れつつ大団円風のルーチンを作ることも可能ではあります。

各パートに技を割り振っていく

決め技を割り振ったら、その技にたどり着くまでの技の流れを考えます。ルーチンの時間の流れとは逆に詰めていくわけですね。はじめから順番に技を積み上げていくよりも、「決め技をより映えさせるにはどういうつなぎ方がよいか」と逆算して技を割り振っていく方が構成しやすいと思います。このとき、曲の途中の特徴的な音に合わせられる技はないか、できる技のリストから目星をつけておくといいかもしれません。各パートに技を割り振っていく作業は実際に動いてみたほうがやりやすい場合もあるので、決め技を割り振った時点でいったんノートとペンを手放してジャグリング道具に持ち替えてみてもいいでしょう。

次は「実際に動いてみよう」

技の整理がある程度終わったら、次は実際に動いてみます。
次回はこの続き、「実際に動いてみよう」について書いていきます。
もしかしたら「人に見せて意見を聞こう」とまとめて書くかもしれません。

ではまた!

曲の分析:初心者はミケ派よりレオ派で ― ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ(2)

どうも、ゴ~チョです。

今回はジャグリング・ルーチンの作り方まとめ第2章です。

ルーチンを作ろう(2)

前回までのおさらい

人前でジャグリングを見せるときは「ルーチン/ルーティン」と呼ばれる技のパッケージのようなものを作っておくと見せやすいです。ルーチンを作る工程は人によりまちまちですが、まとめると大体こんな感じになります。

  1. 曲を選ぼう
  2. 曲を分析しよう
  3. 自分ができること、したいことを整理しよう
  4. 実際に動いてみよう
  5. 人に見せて意見を聞こう

で、前回は「1.曲を選ぼう」まで書いたので、次は「2.曲を分析しよう」について書いていきます。

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初心者はミケ派よりレオ派で

ルーチンの作り方の流派として、大きく分けて“曲を聴きながら身体の趣くままに動いて作りこんでいく派”“曲の分析のあとで自分のやりたい技を当てはめていく派”の二派がいるようです。さながら、下書きなしの石を目の前に一気呵成にダヴィデ像を彫り上げたミケランジェロと、解剖学や数学の理論に根ざした精緻な絵を描くレオナルド・ダ・ヴィンチのように対照的な二派です。
ここでは後の呼びやすさも考慮して前者を“ミケ派”、後者を“レオ派”とでも呼びましょうか。
実際には、厳然と二派が分離しているわけではなく、個人の中でも「ミケ:レオ=2:8」、「ミケ:レオ=7:3」のように混じりあっていたりします。下記のブログのJINJINさんのやり方は純然たるミケ派ですね。フィフティさんやわこうさんのやり方はレオ派寄りな気がします。

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ミケ派の良い点は、慣れれば曲にも自分の身体にも調和した動きを速く見つけられるところです。いわば冒頭に書いたルーチンづくりの工程の「曲を分析しよう」「自分ができること、したいことを整理しよう」「実際に動いてみよう」を3つ同時にやってしまうような感覚です。ただし、“慣れれば”というところが問題で、ルーチン作りに慣れないうちはむしろ時間がかかります。また、身体に慣れた動きばかりを入れてルーチンが単調になってしまいがちなので注意が必要です。一方のレオ派は、ルーチンづくりの工程を一つずつ進めていくので時間はかかりますが、逐次全体のバランスをみながらルーチンを作っていけます。また、ある程度「理詰め」で作っていくので、「ルーチンの作り方」として他人に教えやすいです。初めてルーチンを作る方にはレオ派を推奨します(そもそも、冒頭の工程の書き方が既にレオ派を前提にしてしまっているのですが...)

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曲を分析する

というわけで、以降はレオ派の作り方を前提に説明していきます。
レオ派では、音楽にジャグリングの技を当てはめていく前に、まず曲の分析をします。
じんさんのnoteのルーチン作り第一段階(構想段階)の「③曲の書き起こし、パートで色分け、曲の流れを把握する」「④盛り上がりポイント、poseのタイミング、とりたい歌詞、演出を少し考える」や、ぴよっと花びらノート「ルーチン組み立て編 ~曲を分解して考える~」に対応した工程です。

note.mu

piyochan0blossom0.blog.fc2.com

曲の分析を行うにあたり、ノートとペンをご用意ください。
大まかに以下の3つの作業を行います。

  1. メロディの切り替わりポイントでパートを区切る
  2. 着地ポイント、ジャンプポイントを見つける
  3. 特徴的な音をメモしておく

メロディの切り替わりポイントでパートを区切る

曲をメロディの切り替わりポイントに沿ってパートに区切っていきます。だいたい、15~30秒単位のパートで区切れるはずです。
それぞれのパートには開始~終了の秒数とともに、ラベルをつけていきます。ラベルはA,B,C...のような記号でも「焦らし」「弾けるような」「おどけた」のような各パートのイメージを示す日本語でも、「ズダダダ」「ブッパーン」のような擬音語でも、自分がわかりやすければ何でも構いません(ちなみに僕は擬音派です)

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着地ポイント、ジャンプポイントを見つける

着地ポイントとは、ジャグリングの演技をストップし観客の緊張を緩めさせるポイント、いわゆる「拍手ポイント」です。これを、メロディの切り替わりポイント、つまりパートの切れ目に設定していきます。メロディの切り替わりポイントのすべてを着地ポイントにする必要はありません。曲のテンポにも依りますが、着地ポイントは大体30秒~1分ごとに設けることを目安に考えておくといいと思います。

そして、「着地」というからにはその前にジャンプしていなければなりません。メロディの切り替わりで突然ジャグリングをやめてポーズを取れば拍手がもらえるかというと、それでは観客が戸惑うだけです。ここでいう「ジャンプ」とは難易度や運動量など何らかの動きに落差をつけて観客に緊張を喚起させることを指します。いわゆる拍手ポイント直前の決め技です。実際に動いてみると決め技の所要時間に依って前後の調整は必要ですが、着地ポイントと合わせてジャンプポイントもある程度の目星をつけておくとよいでしょう。

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特徴的な音をメモしておく

メロディの切り替わりポイントではないものの、曲の途中で特徴的な旋律やパーカッションの音が入っていることがあると思います。そのような音に合わせた動きを随所に仕込んでおくと、曲と動きの調和感が高まり、ルーチンがよりスマートに見えます。例えば、曲の中で手拍子の音が入っている箇所で実際に手拍子をしたり、音が伸びるところで道具を高く投げ上げたり、音が止まるところで自分の動きも止めたり、といったものです。動きは後で考えるとして、この工程ではとりあえず使えそうな音の出現箇所をメモしておきましょう。

とにかく曲を聴く

あとは、選んだ曲をとにかく聴いてください。
理想としては、インストの曲でもまるまるスキャット*1で歌えるくらいになるまで聴くと良いです。そのレベルまで曲を覚えていると、再生機器をいじらなくとも自分の口で即座に途中再生できるため、その後の工程で曲の途中からのパートを作りこむときに捗ります

次は「自分ができること、したいことを整理しよう」

曲の分析が済んだら、次は自分がやりたいことを整理します。
次回はこの続き、「自分ができること、したいことを整理しよう」について書いていきます。

ではまた!

*1:意味のない音をメロディに合わせて即興的に歌うこと

とりあえず曲選びから ― ジャグリング・ルーチンの作り方まとめ(1)

どうも、ゴ~チョです。

趣味がジャグリングであることを公言している人は、遅かれ早かれ友人知人からこういった頼まれごとを受けます。

「○○(何かしらのイベント)のときにやって見せてよ」

そんなとき、ただやりたい技を気の向くままに練習していた彼or彼女は茫然とするのです。

「どうやって見せようか...」

だらだらと練習風景を見てもらうわけにはいかないので、漫才師のネタのようにマクラ・本筋・サゲのような、いわばパッケージ化された構成を考えなければなりません。今回はそんな、人への見せ方の話をします。

ルーチンを作ろう

ルーチンとは

「ルーチン/ルーティン」は、ラグビーの五郎丸選手のおかげで一般にもある程度耳なじみのある言葉になったのではないかと思います。ただ、五郎丸選手の言う「ルーチン」とジャグラーの言う「ルーチン」では使われ方が異なるため、改めて解説を入れます。

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五郎丸選手の「ルーチン」は自分のリズムや集中を整えるための一種の儀式であり、人に見せるためにやっているわけではありません。(実際、試合以外の場面で「ルーチン」をリクエストされたときに彼はやんわり断っていました。トップアスリートは違う...)

ジャグラーの「ルーチン」は逆に、見てもらってなんぼの代物です。
ジャグリング界隈で言われる「ルーチン」とは、“誰かに見せることを想定して事前に構成された一連の技や動きの流れ”のことを指します。多くの場合は音楽をかけて、その音楽に合わせて動きます。ダンスやフィギュアスケートの「プログラム」という言葉に近いかもしれません。似たような扱いで「作品」という言葉を使う人もいます。

なぜルーチンを作るのか

冒頭にも少し書きましたが、「ジャグリング見せて」と言ってきた人が延々と練習風景を見せられて満足するケースというのはまれだと思います。(一部のトップジャグラーであれば、練習しているだけで自然とギャラリーが生じてショウになっていたりしますが)

エンターテインメントとしての完成度を求めるとき、「ルーチン」という枠組みを使うとスマートにジャグリングを見せることができます。

ルーチンの作り方

ルーチンを作ろうと言われても、初めての場合は何をしていいかわからないと思います。しかしそこは先輩たちも通った道。しかも、そのうちの優しい先輩は「ルーチンの作り方」についてたくさんの記録を残してくれています。

以下、参考になるサイトを紹介します。

ameblo.jp

piyochan0blossom0.blog.fc2.com

note.mu

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そして、ある程度共通している流れとして以下のようなものが挙げられます。

  1. 曲を選ぼう
  2. 曲を分析しよう
  3. 自分ができること、したいことを整理しよう
  4. 実際に動いてみよう
  5. 人に見せて意見を聞こう

曲を選ぼう

ある程度パフォーマンスを見せることに慣れてくると、“あえて音楽を使わない”という選択肢が出てきたりするのですが、初めのうちは使えるものは使っておきましょう。音楽をかけることで観客は注意を向けてくれますし、あなたが自分のジャグリングにおいて伝えたい雰囲気やイメージのようなものを補足してくれます。

曲を選ぶ目安

曲を選ぶときの目安は、だいたい以下のことがよく言われます。

  1. 歌詞なしのもの
  2. 外国語なら歌詞つきでもセーフ
  3. 長さは2分~5分くらい
  4. 拍子のとりやすいもの
  5. 曲の盛り上がり部分がわかりやすいもの
  6. 自分が聴いていて楽しいもの

1の理由は、観客が歌詞の方を追いかけてしまってジャグリングの内容に集中できないからだとよく言われます。2については、(日本人の観客にとって)外国語はBGMのようなものだからです。「あえて歌詞つきの曲で、歌詞の内容にリンクしたルーチンをする」という選択肢もありますが、初めての人にはあまりお薦めしません。3については音楽の編集技術があれば元曲が何分でも構いません。4.音楽を聴きながらリズムよくジャグリングをするわけですから拍子は取りやすいに越したことはありません。5.曲の盛り上がりがわかりやすいと、その部分に合わせて難易度の高い技をもってくるなどルーチンにメリハリをつけやすくなります。6.そして、曲選び、曲の分析、練習と、本番に至るまでに何度となく聴くことになる音楽ですから、好きだと思える曲を選びましょう。(最後の項目が実は一番重要かも...)

曲の探し方

曲の探し方ですが、僕がよくやる方法は以下の4つです。

  • Youtubeで検索しまくる
  • レンタルCD屋で試聴しまくる
  • 好きな映画やドラマのサントラを入手
  • 「いい感じの店」でShazamをON

例えばYoutubeの検索窓に「曲 ○○(曲の雰囲気)」と入力して検索すると、そこそこヒットします。誰かがご丁寧にプレイリストを作ってくれている場合もあります。もともと好きな曲から関連リンクをたどって似た雰囲気の曲を探していくやり方もあります。求める曲の音楽のジャンルがわかっているなら話は早いかもしれません。レンタルCD屋に行ってそのジャンルの一画を片端から試聴していきましょう。好きな映画やドラマがあれば、その作品のサントラ(サウンドトラック)を借りるのも一つの手です。“映像を邪魔せずに引き立てるために作られた音楽”なので、ルーチン用の曲としてはけっこう相性が良かったりします。

曲探しに煮詰まったら、街をぶらぶらするのもいいでしょう。気まぐれに服屋に入ってみる。素敵な喫茶店でお茶してみる。そんなとき店内にかかっている曲に、ふと耳を傾けてみてくださいルーチン曲との運命の出会いが待っているかもしれません。店員さんに曲名を聞くのも手ですが、現代には「Shazam」を筆頭に便利な音楽同定アプリがあります。(Shazamでもわからないときは素直に店員さんに聞きましょう)

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次は「曲を分析しよう」

運命の曲を見つけたら、次はその曲を分析します。
次回はこの続き、「曲を分析しよう」について書いていきます。
できるだけ日が空かないよう努力します。


ではまた!