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日々是ジャグリング

ジャグリングを通じて感じたこと考えたことを綴っていきます。

技のクオリティと情報量について―『金色のガッシュ』を読み返して思ったこと

ジャグリング 個人的所感 経験者向け 漫画

こんにちは、ゴ~チョです。

ふと過去に読んだ漫画でキャラクターのパワーアップについて
面白い描写があったのを思い出したので
読み返してみました。

 

雷句 誠『金色のガッシュ』を読み返してみた

金色のガッシュ!!(1)

金色のガッシュ!!(1)

 

 

術者とコンビを組む能力系バトル漫画

『金色のガッシュ』は少年サンデーに連載されていた雷句 誠先生の作品です。
以下、単行本のあらすじ欄から引用です。

 人間界を舞台に千年に一度行われる、次の魔界の王を決める戦い。魔物の“力”を引き出す“本”を与えられた人間と魔物の子がコンビを組んで、生き残りをかけて戦うのがルールだ。
 その100人の王候補の一人として、中学生・高嶺清麿(たかみねきよまろ)の家にやってきたガッシュ。二人の絆はしだいに深まり、「やさしい王様になる」という目標のもと成長を遂げていく。

 

「本」の適合者である人間が「本」に書かれた呪文を読むことで
魔物の子の力が解放されて、術が発動します。
個人的には、バトル漫画で技名を叫ぶ理由をうまく見つけた設定だなと思います。

 

人間が異形異能の生物を使って戦闘するという意味では、
デジモンとかポケモンに近いのかもしれません。
ただ、デジモンポケモンが基本的に持ち主の指示通りに戦闘を行うのに対し
魔物の子はいつも人間の言いなりとは限りません。

 

魔物の子からしてみれば自分より能力の劣る人間などと組まずに
己のみの力で戦いたいところなのですが、
故郷の魔界とは違って人間界では「本」の適合者の力を借りなければ
自分たちの本来の力を出すことができないわけです。

 

そこで人間を脅して自分に従わせようとする魔物や
交換条件を提示して人間の協力をあおぐ魔物、
精神操作を試みる魔物まで現れます。

 

人間側にしてみても、
魔物の子に対して自分の亡き息子の面影を重ねる者や
単なる利害の一致から行動を共にする者
仕事のパートナーとして魔物を利用する者等
魔物に負けず劣らず個性に富んでいます。

 

魔物の子と人間は「本」を介したある種の契約関係にあり
その関係性はコンビによって様々であるところがこの作品の面白さの一つです。
(と言って、今回書きたいこととは直接関係ありませんが)


3行だけの「ザケル」と1ページ分の「ザケル」

「ザケル」とは主人公の魔物の子ガッシュの初級術です。
(作中では「第一の術」と言っています。)
適合者の人間も初めから「本」の中のすべての呪文が読めるわけではなく
読める部分だけが色が変わって見えており、
魔物の子の成長に合わせて読める呪文、使える術が増えていきます。

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術の強さは呪文読み上げ時の感情の強さによって多少変化はするものの
基本的に術により一定です。

ところが、あるきっかけで術の強さが跳ね上がるという描写がありました。
27巻9ページの以下のコマをご覧ください。

金色のガッシュ!! (27) (少年サンデーコミックス)

金色のガッシュ!! (27) (少年サンデーコミックス)

 

 

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「3行分のザケル」が「1ページ分のザケル」になったことで
強さが格段にアップしたとのことです。
同じ「ザケル」だが色が変わって見える文字の量が増えたことで
強力になったわけです。


僕はこの描写をみたとき、
ジャグリングにも似たような感覚はあるなと思いました。


技のクオリティと情報量について

寿司屋の腕前は玉子を握らせればわかる
などとよく言われますが、
ジャグリングの腕前はカスケードを見ればわかったりします。

 

トスジャグリングの基本中の基本と言ってもいい技であるカスケード
ガッシュでいうところの「第一の術ザケル」みたいなものです。
同じカスケードでも初心者のそれと上級者のそれとでは
「3行分のザケル」と「1ページ分のザケル」ほど見た目の差があります。

 

同じ「ザケル」なのに色が変わって見える文字の量が増えると強力になる
とはつまり
同じ技でもその技に対する理解の深さや量によって技の質が上がる
ことのメタファーではないでしょうか。

 

「3行のカスケード」
=「技として成立する最低条件のみを満たしているカスケード」

 

「1ページのカスケード」
=「リズム、腕の角度、姿勢などその技の最も美しい形を体現できているカスケード」

 

呼んでしまえば同じ「カスケード」でも前者と後者では
意識できている(あるいは既に定着して無意識下でも体現できる)事項の多さ、
込められた情報の量というのは格段に違います。

 

そう考えたとき、自分が今「できている」と思っている技は
「3行分」の技でしょうか。「1ページ分」の技でしょうか。
ふと考えてしまいます。

 

ジャグリングに限らず
仕事や勉強においても「3行分」か「1ページ分」かは
初心者と上級者を分かつキーワードになりうるのではないかと思います。

 

作者の哲学が垣間見える漫画が好きです

キャラクターがかわいくてギャグも多め、低年齢の子にも楽しめるような作り
であるために見落とされがちですが、今回紹介した場面以外にも
『金色のガッシュ』は示唆に富んだエピソードを数多く含む漫画だと思います。
こういった、作者の哲学や考え方が嫌味ない形で垣間見える作品はいいですね。
個人的にはフォルゴレがキャンチョメに強さを説くシーンも好きです。
あと、ふざけたビジュアルの中学教師のいたって真面目な進路指導シーンとかも。

 

今後も、何か引っかかることがあれば、全然関係ない作品でも
ジャグラー的視点から考察を入れたりしていきます。
ではまた!

 

金色のガッシュ!!(1)

金色のガッシュ!!(1)

 

 

『風姿花伝』でジャグラーが参考になりそうなところを抜粋してみた

ジャグリング 経験者向け 書籍

バレンタイン?何それおいしいの?ゴ~チョです。
今回はまた趣向を変えて、

無理矢理ジャグラー視点で解釈したら、という形で書籍を紹介します。

 

世阿弥風姿花伝

風姿花伝 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

風姿花伝 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

 

 

観阿弥世阿弥とセットで覚えましたよね。歴史の時間に。
父の観阿弥が芸能としての能楽を大成させて、
子の世阿弥がそれを書物にまとめています。
風姿花伝』はもともと一子相伝の秘蔵の教えだったようです。

 

能もジャグリングも、広く広く意味をとればどちらも芸の道と言えるでしょう。
口語訳版ではありますが、前々から興味のあった『風姿花伝』を読んでみました。
その中から、ジャグリングにも通じていそうな部分を抜粋していきます。


観客には常に「新鮮さ」を与えなさい

著者である世阿弥は能が観客に感動を与える瞬間を「花」に例えています。

秘すれば花

これは『風姿花伝』の中に出てくる有名なフレーズですね。
そもそもなぜ花にたとえるのかを世阿弥は別紙口伝*1にて
こう述べています。

 そもそも花というのは、あらゆる草木において、四季の折節で咲くものです。そのときそのときでつねに新鮮な感動を呼ぶから、私たちは花を愛するのだと思います。
 猿楽も、人の心に新鮮な感動を引き起こすものだから、やはり「面白い」という心を引き起こすのです。花を愛する気持ちと、面白いという感情と、新鮮な感動の三つは、すべて同じ心から発するものでしょう。

つまり、能で大事にされる「花」とは「観る人に新鮮な感動を与えること」
だと言えるでしょう。

 

ベテランの役者がときにルーキーに負けることがあるのも
上手な役者の同じ演目でも二回目は魅力が劣るのも
ひとえに「花=新鮮な感動」の違いによるものだと世阿弥は述べています。

 

前述の「秘すれば花」の教えも
新鮮な感動を与えるためには自分の手の内を極力明かさないようにするべし。
ということらしいです。
世阿弥の「秘すれば花」は筋金入りで、
何か隠し持っていることすら相手に悟られてはいけないとのこと。
(そんな彼が、秘伝書が広く出版されていることを知ったらどうリアクションするのでしょう...)

よくJJFチャンピオンシップの予選落ちルーチンをYoutubeにアップしたり
フリーパフォーマンスで披露したりする人がいますが
次回に備えて極力露出を控えるのも、一つの手段ではないでしょうか。


「初心忘るべからず」の意味は実はもっと深い

「初心忘るべからず」

 

これも『風姿花伝』由来の有名な言葉ですね。
現代ではよく「物事を始めた当初の新鮮な気持ちを忘れないように取り組むこと」
という意味で使われますが、本家本元の言いたいこととは少し違うようです。

 

「初心を忘れるな」とは「常に未熟さを自覚せよ」ということであり、
同時に、各年代で身につけた芸の当初の感覚を忘れずに覚えておき、
たとえ今の自分が五十代でも、十代の芸、二十代の芸、三十代の芸...
といったようにいつでも引き出せるようにして己の芸の幅を広げよ
ということを述べているのです。


演目を成功させるコツ

 会場に集まった観客の方々が、どれだけ気分を盛り上げているか?遅れたりはしていないか?ということをまず考えてみることが、能の道に長く携わった人間としては、その能の出来・不出来を予測する、一番の判断材料になるのです。

演目を成功させるには、まず観客の様子を見よ
と、世阿弥は説きます。
全てはジャグリングに応用できないかもしれませんが、
以下が世阿弥のアイディアの一部です。

  • 客席がざわざわしているときは静まってくるのを待ち、今か今かと観客の集中が高まったところで登場する。
  • 静まらないうちに演目を始めなければならないときは、いつもより声を張り、動作を大げさにすることで全員の心を演目に集中させる。
  • 昼の公演では後半に盛り上がりが来るようにする。
  • 夜の公演では気分が陰鬱になりがちなので明るい演目を最初に持ってくる。


競演で相手に勝つには

能の隆盛当時は、「立合い」といって
他の一座と能の“演じ比べ”をさせることがあったようです。
ジャグリングでいうところのコンペティションのようなものでしょうか。
世阿弥はこの「立合い」で相手に勝つ方法も述べています。

 まず立合いで勝つためには、演じられる能の数を多数用意し、対戦相手の演じる能とまったく種類の異なった能をぶつけられるようにしておくといいでしょう。…(中略)…
 相手方が華やかな能を演じれば、こちらは静かに、雰囲気を変えて、観客の方々に固唾をのませるような場面を含んだ能を披露すればいいのです。
 このようにして相手の猿楽と違う作品を臨機応変に提示すれば、どんなに相手の猿楽がよかったとしても、おいそれと負けることはありません。

新鮮な感動こそが「花」としていた世阿弥だけに、
相手との演目かぶりはまず避けるべき事項だったようです。

 

相手と同じ系統の技で実力の差を見せつけるのもいいですが
実力が拮抗しているようなら趣向を変えて観客や審査員の目をひくのも
コンペティションでは一つの戦略ですよね。


できないからと言って遠ざけない

 どんな人でも、ときには凝り固まった常識から、ときには自分にはできないという理由から、一方の芸風ばかりに一途になります。…(中略)…
 ただ自分にできないことを、狭い了見で遠ざけているだけなのです。
 できないことがそのままになってしまうと、一時には名声を獲得したとしても、長続きする花がなくなり、天下に認められ続けることはできません。
 その優れた腕で天下に認められることのできる人は、あらゆる種類の演技ができるからこそ、やはり面白いと思われるのです。

 

...耳が痛い話ですね。
理想ではあるものの、実際には厳しい道のりです。

この話を読んで思い出したのは、JJF2008での大回転古谷さんのルーチンです。

 


大回転古谷 JJF08

 

この年の前後からシガー4個以上の技が爆発的に増え、
シガー3個で大会にエントリーする者がほとんどいなくなった今でも
なおこのルーチンが色褪せないのは、
当時開拓されていたジャンルの技がかなりの完成度で満遍なく加味されている
ということによるものではないかと思います。
実際、JJFチャンピオンシップでは技の新規性に加えて多様性も見られているらしいですね。


いつも目の前の人に愛される芸をすること

「自分の演技はマニアックだから素人には理解されない。」

そんなことをのたまう人を見たことはありませんか?
世阿弥はいわゆる「目の利かない観客」への演技についてこう言っています。

 たとえば上手な役者でも、その演技が目利きでない観客の好みに合うのは、難しいことがあります。
…(中略)…
 しかし能の道を究め、演技の工夫もできる役者であれば、目の利かない観客たちにも「面白い」と思えるような演技ができるはずなのです。

さらに世阿弥は続けます。

 秘儀にはこのようにあります。
「そもそも芸能というものは、人々の心を和らげ、身分の上下を越えて皆が一体となれる感動を生み出せるものである。
 だからこそ芸能は、人々の幸福を増長し、その寿命までを延ばすことができる。まさにこの道の究極は、いつまでも幸せで、いつまでも健康な人生を人々に提供するものなのだ」

 

職業として芸能を見せていた世阿弥
趣味でやっている人もいるジャグラーとを一緒にするな
といった意見も聞こえてきそうです。
全くそのとおりなのですが、
僕個人としては五代雄介(過去記事参照)に憧れてジャグリングを始めたクチなので
世阿弥のこの考えはとても共感できます。

ジャグリングよ大衆のためにあれ。

juggling-gohcho.hateblo.jp

 

少なくとも、承認欲求を満たしたいなら最低限の工夫は必要ですよね。

 

ビジネス書として読む人もいるらしい

風姿花伝』は「いかにお客様に喜ばれる能をするか」という面を追求した
最古のビジネス本として位置付けることもあるようです。

また、各年齢で覚えておくべきこと、訓練の仕方なども載っていて
教育本として評価される側面もあったりします。

今回紹介したような口語訳版の書籍も複数出ているので
一度読んでみると読む人により様々な発見があり面白いかもしれません。

ではまた!

 

風姿花伝 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

風姿花伝 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)

 

 

*1:もともと別本ですがこの書籍では一緒にまとめています

道具に最適なカバンを求めて(2)―リング編

ジャグリング レビュー バッグ&ケース

土曜日と祝日が重なると損した気分、ゴ~チョです。

ジャグリングをやっていて悩みの種なのが
道具を持ち運ぶいい感じの鞄がなかなか見つからないことです。
ボール等サイズの小さいものなら問題ないのですが、
クラブやデビルスティックなど長さのあるものや
リングのような幅のあるものはけっこう大きな鞄でないと入らなかったりします。

前回、ハット用の鞄の検証で、楽器用のバッグに可能性を見出しました。

juggling-gohcho.hateblo.jp

 

今回はリング用の鞄について検証していきます。

リングに適したカバンを求めて

リングと似た形状の楽器といえば

まず、ジャグリングリングのサイズ感を書き出してみましょう。

  • 外径:24~40cm
  • 厚み:5mm

ジャグラーが3枚以上持ち歩くことを考えると
厚みは最低1.5cmは必要でしょう。

これらの条件を満たす楽器と言えば...

 

シンバルです。

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そこで購入しましたこちらのシンバルケース。

KC シンバルケース CYB-35

KC シンバルケース CYB-35

 

 

上部の持ち手の他に、リュックのように背負える肩紐つき。
両手が空くのはいいですね。

シンバルケースだけあって、ドラムスティックを入れる外ポケットがついています。

そして、サイズの違うシンバルをそれぞれ入れられる間仕切りつき。
これでノーマルリングもラージリングもスッキリ収納できるぞ!


さすがにデカすぎる

さっそく、ラージリングを入れてみます。

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スッカスカです。
このバッグの内径が55cm。ラージリングは40cm
購入前は「まあ余裕ある方がいいだろう」と思っていましたが
完全にサイズ感を見誤りました。

 

背負ってみます。

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なんだか亀仙人を思い出しました。


電車の中では周囲の人にぶつけないように
身動きに気をつけたほうがいいですね。

 

予想外の方向から運命の出会い

それにしてもこのサイズの持て余し具合い。
何とかならないものかと思いつつ、ふと
以前にナランハ(東京のジャグリングショップ)で購入したこちら、

www.naranja.co.jp

上記の『折りたためるフープ』を、たたんだ状態で入れてみました。

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ピッタリ!!!

狙いすましたかのようにすっぽりと入りました。
手元にないのでわかりませんが
マニピュレーションフープ(直径55cm)とかもきれいに入りそうです。

ついでに、スティック用の外ポケットにハンドスティック(デビルスティック用)を
入れてみました。

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ピッタリ!!!

センタースティックも入れてみましたが、
それはさすがに20cmほどはみ出てしまいました。
(許容範囲かな...)

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今回の評価

リングケースとしての評価は

サイズ感 :★☆☆☆☆
おしゃれさ:★★★☆☆
持ち運び :★★★★☆
出し入れ :★★★☆☆
価格の安さ:★★★☆☆
ハンドスティック  :★★★★☆
フープ入れ:★★★★★★★★★★

といったところでしょうか。

探し物をしていたら、以前になくした別の物が見つかった。

そんな気分です。
シンバルのサイズ感に詳しくなれば
今後リングにピッタリの物も見つけられると思います。
ではまた!

 

KC シンバルケース CYB-35

KC シンバルケース CYB-35

 

 

ジャグリングが登場する作品の紹介(6)―天堂きりん『そして、晴れになる』1巻

ジャグリング 作品紹介 漫画

こんにちは、ゴ~チョです。
「マジックバー」というのはちょくちょく聞きますが
「ジャグリングバー」ってあんまり聞かないですよね。
ジャグラーがマジックバーでマジシャンに混じって出演してるから
ジャグリングのみに絞っている店舗が少ない
ということなのだと思いますが。
(あと天井の問題かなぁ...)

 

あとはワンドリンク付き1500円とかで
ダンスやら楽器演奏やら観賞できるイベントの中に
ジャグリングが混じってたりしますね。
今回紹介する作品にもそういった場所が出てきます。

 

天堂きりん『そして、晴れになる』1巻

そして、晴れになる 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

そして、晴れになる 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

 

とある家族の各人物に焦点を当てたオムニバス

時任(ときとう)家の母、伯母、長女、次女に
それぞれ焦点を当てたストーリーが展開されていきます。
2巻では長女の幼馴染み視点の話もあります。

そして、晴れになる 2 (マーガレットコミックスDIGITAL)

そして、晴れになる 2 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

 

登場人物は関西弁で会話し、微量にローカルネタも入っていて
関西出身の僕としてはとても馴染みやすかったです。
(逆に関東の方だと読みにくくなったりするのでしょうか)

 

ジャグリングが出てくるのは1巻の第3話第4話です。

 

江田くんが絶妙にジャグラーくさい

次女の職場で働く江田玲二という男性が
実はジャグリングをやっているという設定で登場します。

  • やせ型の長身。
  • 普段は眼鏡で、パフォーマンスのときは外す。
  • 草食系のおとなしそうな顔立ち。

ジャグリング経験者には頷いてもらえると思いますが
これけっこうジャグラー男子に当てはまる外見です。

 

「ジャグリングなんて変わった趣味持っているなら、ひょうきんな人が多いだろう」

 

みたいなのは偏見ですよ。


パフォーマンス中は頑張って陽気に振舞っていたり、
もちろん元から陽気な人もいますが。

 

そして、妙にリアリティを感じたのは江田君の腕前です。
有給休暇使って出場した海外の大会で6位だったり
最後の大技がクラブ7本のカスケードであったりという部分です。
ジャグリングをろくに見たことがない人だと
簡単に10本投げさせたりしてしまうと思うのですが
天堂先生はその辺の難易度の現実をよくわかってらっしゃる。
それだけでむやみに好感が持てます。


道具のサイズ感が惜しい

ジャグリングシーンはクラブを投げる描写が中心でした。
やはりジャグリングのリアリティをしっかり押さえているようで
放り投げた道具が等間隔に空中静止しているような
「いわゆるシャワー」(下図参照)はありませんでした。

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他にはデビルスティックやディアボロを扱う描写もありましたが
フォームや軌道に破綻のないちゃんと取材された画でした。

 

ただ、アシスタントさんが描いた部分なのか
ときどきクラブのサイズ感がおかしい作画があったりしました。
(ハンドル部分が完全に手に収まる長さだったり...)
そこは少し残念です。

 

江田くんの再登場を求む

1巻で江田くんは次女とフラグを立てつつも
遠くへ旅立ってしまいます。そして2巻でも登場せず。
どうやら定期連載ではないらしく、次巻の目処はまだ立ちませんが
天堂先生は続きを描く気はあるようなので3巻での再登場を期待しましょう。

ではまた!

ジャグリングが登場する作品の紹介(5)―にしもとひでお『ちょっと盛りました。』3巻

ジャグリング 作品紹介 漫画

こんにちは、ゴ~チョです。
東海大学ジャグリングサークルSTANDの皆さんが
昨日2月5日、ジャグリングの公演を行ったそうですね。

www.townnews.co.jp

昔話の『桃太郎』をベースとした公演というのが
ちょっと気になります。
(今回のテーマとは全然関係ありませんが...)

にしもとひでお『ちょっと盛りました。』3巻

ちょっと盛りました。(3) (講談社コミックス)

ちょっと盛りました。(3) (講談社コミックス)

 

 

一話完結のルポ漫画です

表紙全然ジャグリングと関係ないやんけ

 

と思いました?
それもそのはず、この漫画は一話完結のルポ漫画です。
毎回異なるテーマで取材した内容を漫画形式で伝えています。
なので、この漫画自体は全4巻ですが
ジャグリングが出てくるのは3巻の第73回だけです。

 

Yuさんがそっくり

早稲田大学ジャグリングサークルinfinityに取材に行っています。
その当時の幹事長はYuさん。
取材対応している様子が漫画にも描かれています。(そっくり)


アーロンチルドレンを輩出したあのinfinityが取材対応したということもあり
シガーボックスの描写がけっこう多めなのが個人的にはうれしいところです。
(先輩が考えた技の「ユニコーン」まで紹介しているところが義理がたい)

 

やはり一般受けはディアボロが一番か

その回のテーマは
「忘年会のかくし芸としてジャグリングを習いに行く」
というものでした。
最初はボールのカスケードのやり方を解説、
次にシガーボックスの紹介と続いたのですが
最終的に取材陣が興味を持ったのはディアボロでした。
以前紹介した『空より高く』でも主人公はディアボロを好んで使っていました。

juggling-gohcho.hateblo.jp

 

 やはり最も一般受けしやすい道具ということなのでしょうか。
かなり高く投げ上げられるので注目を集めやすいのかもしれませんね。


マガジン愛読者からジャグラーは現れたのか

『ちょっと盛りました。』は、少年マガジンで連載されていた漫画です。
ジャグリングの回が掲載されたのが2013年12月の52号。
当時のマガジンを読んでジャグリングに興味を持った
という人は、いたのでしょうか。
気になります。

ではまた!

ジャグリングが登場する作品の紹介(4)―ロバート・ゼメキス『THE WALK』

ジャグリング 作品紹介 映画

こんにちは、ゴ~チョです。
最近更新が滞りがち。(やっぱり毎日はきついか)
今回は映画の紹介です。

ロバート・ゼメキス『THE WALK』

 

 

実在の綱渡り師をモデルにした映画

1974年、ワールド・トレード・センターの巨大ビルの間を
ワイヤーロープ一本で渡ったフランス人の実話を映画化しています。
主人公のフィリップ・プティを演じるのは
映画『インセプション』や『ダークナイト ライジング』にも出演していた
ジョゼフ・ゴードン=レヴィットです。

 

カスケードくらいは本当にやってそう

基本的にはNYでの綱渡り計画を中心に話が進むのですが、
合間の独り語りや大道芸人時代のシーンでジャグリングを披露しています。

ハットのタンブル、3ボールカスケード、3トーチカスケード、
4クラブファウンテン、スピニングボール...

手元を移さないシーンもあったりしたので、
もしかしたら差し替えか合成かもしれません。
撮影にあたってジョゼフはモデルになったフィリップ本人から
綱渡りやジャグリングの手ほどきを受けたらしいので
カスケードくらいは普通にジョゼフもできそうです。
いやしかし、この映画の監督はロバート・ゼメキス
何気ないシーンにCGやVFXを駆使することで有名なこの監督なら
ジャグリングシーンはすべて合成でもありえないとは言い切れません...
(主人公らの後ろのほうでリングやパッシングの練習してる人たちはガチでやってます多分)

 

ジェフかわいいよジェフ

実際にロープを渡るのはフィリップ一人ですが、
実施場所の計測や機材の運搬、ロープのセッティング等は一人ではできず
当然協力者が必要です。(作中では「共犯者」と呼んでいました)
フィリップの"偉業"を手伝う「共犯者」の一人に、
高所恐怖症の数学教師ジェフがいます。

1m上がっただけでブルブル震え出してしまうくらい高いところが苦手なのに
なぜかフィリップの志に賛同して地上411mで健気に頑張るジェフ
普段は数学教師というお堅い仕事をしているせいか
フィリップが偉業を達成したときの喜びの身体表現がなんか様にならないジェフ

 

もう一人の主人公はお前だ


と思うくらい、ジェフへのシンパシーが止まらなくなりました。
捕まるリスクは高いうえに成功しても自分が注目されるわけではない。
それでも志に共感したから協力するってなかなかできないですよね。

 

別作品でも披露してくれないかな

このブログの作品紹介の方針として、本筋には極力触れずに
ジャグリングの登場シーンに着目して紹介しています。

 

そのせいで作品本来の魅力が伝わってない恐れもありますが、
実話を元にしてなきゃ絶対入れてなさそうな演出とか、
彼が渡る前と後でのWTCに対するNY市民の愛着の差とか、
その後このビルに起きた出来事とか、思うこと考えることの多い良い映画です。

 

主演のジョゼフさんには別作品でも
何かジャグリングを披露する機会が巡ってきたりしないかな
と個人的には期待しています。

ではまた!

道具に最適なカバンを求めて(1)―ハット編

ジャグリング レビュー バッグ&ケース

こんにちは、ゴ~チョです。
ジャグリングをやっていて悩みの種なのが
道具を持ち運ぶいい感じの鞄がなかなか見つからないことです。
ボール等サイズの小さいものなら問題ないのですが、
クラブやデビルスティックなど長さのあるものや
リングのような幅のあるものはけっこう大きな鞄でないと入らなかったりします。

 

今回はその最たる例であるハット用の鞄について
検証も兼ねて考えてみたいと思います。

 

ハットが持ち運びにくい理由

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「帽子」なのに「かぶる」コマンドが使えない

このブログをご覧の方の中にはハットジャグリングをしたことがない方もいらっしゃるかと思うので、

「ハットなんてかぶって行けばいいじゃん」

と思った方もいるかもしれません。
そこでまず、いわゆる「ファッション用ハット」とジャグリング用ハットの違いを整理しておきます。

ジャグリング用ハットは「投げる」ことに最適化されているため

  • ファッション用ハットより重い
  • ファッション用ハットより径が大きい
  • ファッション用ハットより(微妙に)ダサい
  • 複数同時に持ち歩いたりする

ジャグリング未経験の方がジャグリング用ハットを初めて触ったときの第一声は大抵

「えっ?重たい...」だったりします。
軽いとキャッチのときに手ではじきやすくなったり、風に煽られやすくなったりするので
ジャグリング用ハットはファッション用ハットより重くできています。
この重いハットを長時間かぶり続けていると、首が疲れます。

 

また、投げて落ちてくるハットを頭でスポッとかぶりやすいように
ファッション用ハットよりもやや大きいサイズでかぶることが多いです。
そして、投げることに形が最適化されているため、
ファッション用ハットに比べると一抹の垢抜けなさが拭いきれません。
ややユルメのサイズ感も相まって、

「かぶった状態で外を出歩くのはちょっと...」

といった状態になります。
(抜群にお洒落センスがあれば別なのかもしれませんが)

 

ただ、一番の違いは何といってもジャグラー
ハットを複数持ち歩くことがあるということです。

さすがのオシャレ番長も日によってハットを変えることはあれど
複数のハットを同時に携えて街に繰り出すことはないでしょう。
ハットを複数持ち歩くという行為をするのは、業者かジャグラーくらいだと思います。

 

このような理由で、ジャグラーは「かぶる」以外の
何かしらの方法でハットを持ち歩かねばならないのです。

 

ジャグリング道具トップクラスのデリケートさ

かぶれないのだとしたら、手に持っておくか何か入れ物に入れておくしかありません。
常に片手がふさがっているのも不便なので大抵は何かに入れて持つことになります。

ところが、ジャグリング用ハットは「かぶる」ことにおいて
帽子の特性を発揮できないでおきながら
収納において帽子の特性を存分に発揮します。


それは、「雑に押し込んでおくと型崩れする」という特性です。


サイズや形の合わない鞄に無理に押し込んでおくと型崩れしてしまいますが
そもそもジャグラー以外に「ハットを持ち運ぶ文化」がないため
ちょうどいい鞄がなかなか見つからないのが現状です。

 

ハットをいい感じに持ち運ぶには

ハットをいい感じに持ち運ぶ鞄の条件としては、仮に以下の3つを挙げておきます。

  • 底面が直径約30cm、高さが17cm以上の円筒形
  • 形が崩れにくい堅めの布を使用
  • 見た目がそれほど怪しげにならない

この条件で、良い鞄を探してみました。

 

この形がよいのでは?

そこで目をつけたのがドラムケースです。
ドラムを傷つけずに運ぶためのケースなので、
円筒形であり、形が崩れにくく、怪しさもありません。

  

GATOR ドラムバッグ 12インチ X 10インチ タム用バッグ GP-1210 ブラック

GATOR ドラムバッグ 12インチ X 10インチ タム用バッグ GP-1210 ブラック

 

 

やや持ち余るも心地よい収まり具合

さっそく上記のケースを買ってみました。
ただの黒いケースなので見た目はシンプルでやや武骨。

 

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ハットを入れるとこんな感じです。

 

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今入れているのはパスパスのハットでツバの径が約30cm、高さが約16cmです。
それを3つ入れて高さとしてはちょうど、という感じでした。
幅は比較的余裕があるため取り出しも楽です。
もしかしたらもう一回り小さくてもいいかもしれません。

これは12インチ×10インチなのですが、同じ型で10インチ×9インチならば
幅はジャストサイズか、ピッタリで出し入れがしにくくなるか...
といったところです。

ちなみにサターンのラージリングはギリギリ入りませんでした。
ノーマルリングは手元になかったので試せていませんが、余裕で入ると思います。

肩に担ぐとこんな感じです。(やはり少し大きいか...)
今回購入したものは肩紐の長さを調節できないタイプだったのが残念。

 

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今回の評価

ハットケースとしての評価は

型崩れ耐性:★★★★☆
おしゃれさ:★★☆☆☆
持ち運び :★★★☆☆
出し入れ :★★★★★
価格の安さ:★★★☆☆

といったところでしょうか。
使用感は今後もモニターし続けていくつもりです。
しかし今回の検証で楽器ケース類に可能性を見た気がします。

ではまた!